電気を当たり前に使えるありがたさをかみしめている。この1週間、県内は二つの台風が猛威を振るった。先週末の24号では20万世帯以上が停電し、完全復旧しないうちに25号が後を追った

▼沖縄市内の自宅アパートは停電と断水が3日間続きトイレや歯磨きさえままならない。市内にある職場は電話とネット回線が一昨日まで5日間ストップ。給食を出せない学校が各地で相次ぎ、早帰りする子どもの迎えに気をもんだ

▼当事者の一人としてローカルに徹するFMよみたんのきめ細かな情報発信に触れ、頭が下がる思いがした。4日間停電したが自家発電機を持ち込み職員泊まり込みで24時間放送を続けた

▼暴風域に入ると毎時30分から始まる「台風災害放送」。警察や消防、村、電力など公的情報だけでない。スーパーやコンビニなどを取材して開いているかを随時伝える

▼「風の音しか聞こえない夜にラジオを聴く人に安心を届けたい」と副局長の比嘉美由紀さん(42)。信号がつかない場所など幅広い情報を寄せるリスナーとキャッチボールしながら元気が出る話題を心掛ける

▼1人暮らしの高齢女性が「停電がうちだけじゃないと分かって安心した」と電話口で話す言葉に比嘉さんは励まされたという。地域密着の「情報」と、その先にある「安心」を届ける姿勢を見習いたい。(溝井洋輔)