先週から今週にかけ、大型で非常に強い台風24号、25号が立て続けに沖縄地方を直撃し、住民生活は長時間にわたってマヒした。

 台風の影響は農業、漁業、小売業、観光施設などに加え、公共交通機関、学校、病院、公共施設など、ほとんどあらゆる分野に及んだ。

 週末のイベントは軒並み中止に追い込まれ、台風に見舞われた観光客は乏しい情報の中で不安な時間を過ごした。

 被害はなぜ拡大したのだろうか。

 台風24号の接近で記録的な暴風雨が長時間にわたって吹き荒れたこと、復旧作業が終わらないうちに台風25号が追い打ちをかけたこと、などが被害の拡大を招いたのは間違いない。

 しかし、今度の台風被害の大きな特徴は、大規模な停電が発生し、それが長時間続いたことによって「被害の連鎖」を引き起こしてしまったこと、にある。

 沖縄電力によると、9月29日午後10時の時点で約23万世帯が停電した。懸命の復旧作業でいったん回復に向かったものの、3日夕に再び急増し、4日午後11時には2万超に達した。

 多くの集合住宅では電気が止まったことで、連動して水道も止まり、テレビも冷蔵庫もトイレも使えなくなった。

 スマートフォンが充電切れで使えなくなり有力な情報収集手段を失った人たちも多かった。

 オール電化の「落とし穴」に落ち込んで、長時間にわたって予期せぬ被害を受けたのである。

■    ■

 「電線から火花が出ている」との119番通報も相次いだ。電線に付着した海水の塩分に電流が流れショートした、とみられている。

 停電の理由は場所によって異なる。住民がもっとも知りたいのは「いつ復旧するのか」という情報である。だが、沖縄電力に何度電話してもつながらず、住民は不安や不満を募らせた。暗闇の中で情報からも遮断された状態に置かれたのだ。

 沖縄電力は、適切な時期に社長が記者会見し、停電の状況や復旧の見通しを明らかにすべきであった。

 オール電化が進めば進むほど、大規模な停電が発生したときの影響は深刻である。

 北海道地震や台風24号は、全国各地で大規模な停電をもたらした。電気が復旧するまでの間、どのように電源を確保するか。

 停電対策は今や、全国的な課題である。

■    ■

 4日に就任した玉城デニー知事の初仕事は、災害対策本部会議への出席だった。

 同本部で今回の大規模停電と停電に伴う「連鎖被害」の実態を検証し、問題点や課題を洗い直してほしい。

 停電が発生した場合の情報伝達や復旧態勢に問題はなかったか。送電設備は果たして大型台風に耐えられるような設計になっているか。

 地域のコンビニとスマホは、市民生活を維持するのに欠かせないライフラインになりつつある。停電が発生した場合の活用のあり方を官民挙げて検討してもらいたい。