沖縄地方を通過した台風25号で、沖縄県内ではホテルやレンタカーの予約キャンセル、農作物の被害、停電による営業休止などの影響が出た。先週末の24号からわずか5日後の台風襲来。度重なる台風に観光業界からは「沖縄観光が好調とはいえ、頻繁に来られると経営に影響しかねない」との声が上がる。

台風24号の暴風で道路に吹き飛ばされたプレハブ

台風24号、25号が連続で襲来し、果皮が傷つき塩害で葉が黄色くなったシークヮーサー=5日午前、名護市勝山(落合綾子撮影)

台風24号の暴風で道路に吹き飛ばされたプレハブ 台風24号、25号が連続で襲来し、果皮が傷つき塩害で葉が黄色くなったシークヮーサー=5日午前、名護市勝山(落合綾子撮影)

【観光】災害に振り回されている

 県内ホテル大手のかりゆしは、経営する7ホテルとコンドミニアムで約2千人が宿泊をキャンセル。予定されていた宴会の中止も重なり、24号と合わせて1億円の売り上げが吹き飛んだ。

 當山智士社長は、大阪北部地震、西日本豪雨、北海道地震など県内外で立て続けに起こる自然災害に「振り回されている」と嘆く。ただ、台風接近中でもレストランや売店は開店し、キッズルームを開放。「宿泊客には安心・安全に過ごしてもらえるようにしている」と話した。

 沖縄市と恩納村でホテルを展開するKPGホテル&リゾートは24、25号によるキャンセルなどで約4500万円の売上見込み額がなくなった。

 24号では2日間の停電に見舞われた。自家発電機で対応したが、2日以上連続で稼働したため、オーバーヒート寸前だったという。

 県内レンタカー大手のトヨタレンタリース沖縄は24号の影響で、約500件の予約がキャンセルとなり、約1300万円の機会損失。担当者は「25号も合わせると損失はさらに膨らむ」と肩を落とす。6日からの3連休の予約は560件以上あるといい、「台風で失った分を補いたい」と話した。

【農業】塩害の拡大を心配

 県農林水産部が5日に発表した台風25号による農林水産業の被害報告(第1報)によると、被害総額は約2億926万円の見込みとなった。このうちサトウキビは約1億6389万円、オクラやゴーヤーなどの野菜は約1116万円、キクなどの花きが約2936万円、タンカンやスターフルーツなどの果樹は約159万円だった。水稲も307万円被害がでた。

 地域別では多い順に、南部地区が約1億3040万円、北部地区は約2618万円。

 県は台風24号の被害額は10億4546万円と発表している。畜産や林業、水産業は調査中で、被害額は今後増加するとみられる。

 農家は、塩害による今後の被害拡大を心配する。

 名護市の勝山シークヮーサーの安村弘充代表は「24号より被害が出なかったが、塩害の影響で、今付いている実も2~3日後に落ちるだろう」と懸念する。今期は300トンの生産を予定。1割強が収穫できず、被害額は500万円以上を見込む。

 安村代表は「シークヮーサーの台風対策は防風林をしっかり植えること。数日で対策できるものではない」と説明。「県産シークヮーサーをたくさん食べてもらうことが一番の支援になる」と話した。

【小売】品薄・停電相次ぐ

 台風25号による暴風警報が5日朝まで発令され、県内のスーパーやコンビニエンスストアでは商品の搬入が遅れ、品薄となった店舗もあった。一部店舗では停電も発生し、開店が遅れるなどした。台風24号による大規模停電などの影響が冷めやらぬ中での新たな台風襲来に、「気が休まらない」との声も漏れた。

 県内スーパー最大手のサンエー(上地哲誠社長)は食品館など2店舗で、イオン琉球(佐方圭二社長)もマックスバリュ2店舗で停電したが、午後までに復旧した。

 台風接近前の3~4日にかけては、暴風を警戒して食料品を大量に購入する客が多く、一時品薄状態になる店舗も。暴風警報が解除された5日朝も準備が間に合わず、従業員らは納品作業に追われた。

 沖縄ファミリーマート(野﨑真人社長)とローソン沖縄(古謝將之社長)の一部店舗でも停電が発生したが、午後までに復旧。25号接近前は携帯用充電器やインスタントラーメンなどが売れたという。

宮古島25号被害、農作物2千万円

 【宮古島】宮古島市は5日、台風25号による農作物被害額は約2200万円になると発表した。サトウキビが被害額全体の95%を占め約2100万円。9月下旬の台風24号の接近から短期間で台風が来たことから、市は「前回の台風被害から回復する前に葉が裂けており、糖度の低下が心配される」と今後の生育への影響を懸念した。そのほかは、オクラが約100万円。茎が折れたり、実がすれたりして出荷できない被害が出た。

JAおきなわが被害農家へ融資

 JAおきなわ(大城勉理事長)は、台風25号により農畜産物や農業施設などに被害を受けた農家を対象に、災害復旧資金を融資する。既に借り入れがあっても、返済条件変更などの相談を受け付ける。

 詳しくは、最寄りのJA各支店融資窓口、または農業金融部、電話098(831)5156まで。