離島便を運航する琉球エアーコミューター(RAC、那覇市)とパイロット養成課程を持つ熊本市の崇城大は9日、一定期間の勤務を条件に返済を全額免除する奨学金を設けると発表した。金額は2年間の訓練、生活費に相当する約2千万円。逼迫(ひっぱく)化するパイロットの人材確保のためで、崇城大などによると、訓練費の全額返済免除を可能とする奨学金を導入するのは全国初とみられる。

(資料写真)那覇空港

 パイロットは高度な技術習得が必須で養成できる人材が限られる一方、世界的な航空需要の高まりで争奪戦の様相となっている。大学と連携して手厚い支援策を用意し、離島便の維持を図る。

 定員は2人程度で、沖縄県の大学生、大学院生が対象。琉球大などを通じて募集し、今月中に選考を終える。来年以降は、公募や沖縄県外から募集することも検討する。

 熊本市で記者会見したRACの伊礼恭社長は「地元を支える人材を確保することで、地域の発展に貢献したい」と意義を強調。崇城大の中山峰男学長は「経済的な理由でパイロットへの道を断念する若者もいる。ニーズがうまく結びついてくれれば」と期待した。

 中小の航空会社にとって、自社でのパイロット養成は負担が重く、主に航空大学校や航空会社が養成機能を担う。このほか大学や専門学校の養成コースもあるが、費用が1千万~2千万円と高額で、敬遠される要因となっていた。