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米軍ヘリ炎上1年、沖縄県警の捜査進まず 立件困難視する声も

2018年10月11日 05:27

 沖縄県東村高江の民間牧草地で米軍の大型輸送ヘリが炎上事故を起こしてから11日で1年。事故後、沖縄県警の捜査は日米地位協定や、民間地での米軍機事故に関する「ガイドライン」の壁に阻まれた。

沖縄県東村高江の民間地で炎上した米軍の大型輸送ヘリ=2017年10月

 初動捜査は機体近くからの目視や写真撮影などの記録作業にとどまり、肝心の現場検証は機体撤去の後。県警は事故機の検証を米軍に嘱託し、結果を基に立件の判断をする方針だが、回答はまだない。航空危険行為等処罰法違反容疑などを視野に捜査を進めるものの、事件化を困難視する声も聞かれる。

 民間地で米軍機事故が発生した場合、公務中は米側に第1次裁判権があり、日本の捜査機関が機体を調べるには米軍の同意が必要。このため県警は事故後の昨年10月20日、事故機の検証を米軍に嘱託したが、1年たった今も検証結果は提供されていない。

 ある幹部は「米軍が軍事機密を理由に、事故原因の詳細を明かさない可能性もあるのでは」と話す。

 人身被害がなかったことで、県警内部には刑事事件として立件するのは困難との見方も。ある幹部は「例えば業務中のバスが過失で炎上しても、人身被害がなければ刑罰を問うのは厳しい」と指摘する。

消極的捜査、納得は得られない

◆前泊博盛沖国大教授

 高江のヘリ炎上後も米軍機の運用改善は見えない。米軍主体で捜査も進まない現状は主権国家として問題だ。日米地位協定の改定が困難だと言うなら、ドイツなどを例に日本も国内法を米軍に適用できるようにすべきだ。

 老朽化が進む米軍機は人員や予算削減などから機体の整備が十分とはいえず、運用面で深刻な問題を抱えている。危険な状態が放置されたままの上、北朝鮮情勢に連動して訓練も激化し、高江以外でも不時着などトラブルが頻発している。

 県警は県民の命を守るのが仕事だ。負傷者の有無などを理由にした消極姿勢では県民が納得しない。「民事不介入」と決め付けて捜査対象を狭めるのではなく、環境汚染などあらゆる被害に目を向けるべきだ。県警の姿勢が再発防止にもつながる。(日米安全保障論、談)

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