何をかくそう、カンニングをしたことは、ある。小学生の頃だった。悪いことに手を染める時特有のゾクゾクと背徳感に、幼い心が耐えきれず、あっという間にやめてしまった。心臓がキューっとなるんだもん。

「バッド・ジーニアス 危険な天才たち」

 でも、映画はすごい。こんな小心者でさえ、気持ちが大きくなってしまう。

 天才少女が、クラスメートのカンニングに手をかすことで荒稼ぎ。その規模は拡大し、最後には高校生が、世界規模のカンニングを遂行する犯罪集団へと変貌。

 この許しがたい行為を、映画館でなら「やっちまえ! バレないで! がんばれー!」と、スポーツ観戦かのように応援し、感動と興奮に包まれる。

 最後には、「受験勝者=人生の勝者」みたいなクソッタレな世の中に「どうかと思うよ」と物申す、タイ発、骨太エンターテインメント。

 (桜坂劇場・下地久美子)

◇同劇場であすから上映予定