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  • 那覇が廃止され新設された神戸管制部で運用開始早々にトラブル
  • 那覇発着の85便が遅延。2時間半遅れた機もあり航空各社はため息
  • これまで地域別だったが今後は東京、神戸、福岡が高度別に担当する

 10日に本格運用した神戸航空交通管制部(神戸市)で同日午後5時25分ごろ発生したシステムの不具合で、那覇空港発着の旅客85便に30分以上の遅れが生じた管制トラブル。最大で2時間半の遅延や欠航を余儀なくされた便もあった。国土交通省は11日、「サーバー内で予想を超えるデータ蓄積が発生しデータが処理できなくなった」と原因を説明。運用開始早々のトラブルに航空会社の関係者からは「大混乱で参った」とため息が漏れた。(社会部・豊島鉄博、山城響)

出発便の遅延見込みを伝える航空会社の電光掲示板=10日午後7時9分、那覇空港

 道路と違い、信号機のない上空の交通安全は、航空管制の指示が重要になる。国交省によると、トラブルから約2時間後に復旧するまでの間、バックアップシステムに切り替えて運用を続けた。すでに不具合は修正され、再発防止のために「改めてプログラムの点検などを実施している」という。

高度別に担当

 神戸に管制部を新設した背景には、国内の航空需要の増加に伴う管制業務の再編計画が絡む。従来の札幌、東京、福岡、那覇の4管制部のうち那覇を廃止。今後、札幌も廃止し2025年度をめどに東京、神戸、福岡の3カ所になる見込みだ。

 これまで四つの管制部が地域別に空域を担当していたが、再編では上空約10キロを境界高度に設定し、それ以上の「高高度」を福岡、それ以下の「低高度」を東京と神戸に振り分ける予定。高度別に広域化して見ることで、従来の地域を縦割りで見る方法より航路の選択がスムーズになり、運航の効率化が図れるという。結果的に管制官一人一人の業務負担の改善につながると期待されている。

別の不具合も

 新設の神戸管制部は1日に発足したが、別のシステム不具合のために運用開始が9日まで延期されていた。

 ある航空関係者は、本格的な運用が始まって早々のトラブルに困惑。「十分すぎるほどの準備がなされてしかるべきだ。予測できなかったトラブルなのか」と疑問を呈した。

 航空会社にとって今回のトラブルは、台風による運休や自衛隊機のトラブルで滑走路が閉鎖された場合と同様「不可抗力」に当たるため、欠航などに伴う乗客の宿泊先や移動手段などの手配は対象外。

 別の航空関係者は「影響の大きさを考えると(乗客には)大変申し訳ないが、民間機のトラブルで管制に迷惑を掛けることもあり、持ちつ持たれつの部分はある」と話した。