9月下旬に沖縄地方を襲った台風24号は、3週間近くたった今も県内各地の住民生活や企業活動に影を落としている。記録的な暴風雨が長く続いたことで、民間住宅や公共施設が損壊する被害が続出。24号の1週間後に接近した25号も追い打ちを掛け、復旧のめどが立たないケースもある。

台風24号の暴風で半壊した牛舎=16日、南城市佐敷小谷

兼城相互団地北側の土砂崩れ現場。土砂が流れ、コンクリートの擁壁が崩れて、今にも落ちそうになっている=16日、南風原町兼城

台風24号の暴風で半壊した牛舎=16日、南城市佐敷小谷 兼城相互団地北側の土砂崩れ現場。土砂が流れ、コンクリートの擁壁が崩れて、今にも落ちそうになっている=16日、南風原町兼城

見通しつかず

 南城市佐敷で和牛を生産する松川寛成さん(76)の牛舎は台風24号で柱が折れ、トタン屋根が吹き飛ぶなど半壊した。17日現在も建て替え費用の見通しがつかず、牛は雨や太陽にさらされる状態。15日には親牛である雌牛1頭が死んでいるのが見つかり「20年近く牛を育ててきたが、これだけの台風被害は初めて。牛もストレスがたまり、食欲が落ちている」と肩を落とす。「何らかの補償があればいいが、今後も畜産を続けられるだろうか」

「毎日眠れず」

 台風25号後の土砂崩れで5日に南風原町から避難指示が出されていた「兼城相互団地」の14世帯36人は、11日までに全員が自宅に戻った。現場は県が応急措置で土のうを積んでいるが、コンクリートの擁壁が崩れて落ちそうな場所がある。

 近所の男性(76)は妻と義理の母の3人暮らし。通行止めで自宅前の道路が通り抜けできず、移動が難しい高齢の母親は5日から緊急的に介護施設に入所している。さらに15日の豪雨で、斜面から土砂が流れ自宅前が泥だらけになり、男性は「雨が怖い。毎日眠れない」と不安を隠せない。

 嘉手納町水釜の海沿いで、1人で暮らす70代男性の家は、割れた窓にベニヤ板が張り付けられていた。雨風で窓から泥や砂利、波しぶきなどが入り込んだが、目が不自由なため片付けもままならない。子どもたちが仕事の合間に手伝いに来るものの「いっぺんには難しい」と嘆く。

大きさ想定外

 公共施設などへの影響も残る。台風で煙突が折れ、稼働停止中の金武町と宜野座村のごみ処理施設・金武地区清掃センターは復旧に11月下旬までかかる見通しだ。その間、他市町村での焼却処理を模索するが17日現在、受け入れ先は未定。収集ごみは宜野座村の堆肥センターなどに仮置きし、ブルーシートなどで土壌への漏出や飛散防止の措置を取る。一方、伊平屋村のごみ焼却施設も台風で電気系統が故障し4日から稼働停止していたが、18日に再開見込みという。

 うるま市では、高窓と窓枠が40枚以上破損した石川屋内運動場や、バックネットが倒壊した石川野球場などの立ち入り禁止が続く。「施設の老朽化もあると思うが、24号は想定外の大きさだった。石川の施設は一体で修繕していく見通しで、今後の方向性を話し合っている」と市担当者。 

 久米島町には12日夕、同町北原の車エビ養殖場の運営会社から、高潮で陸に打ち上げられるなどしたエビ約195万匹(約5・5トン)、2800万円分の被害が報告された。施設損壊も1500万円分あるという。