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  • 保育園が認可に移行し、越境の通園児が退園となる事態が発生
  • 待機児童の多さを理由に浦添、宜野湾、南城、南風原は継続を認めず
  • 越境通園OKは那覇、沖縄、嘉手納、中城の4市町村にとどまった

 待機児童解消を目的に各市町村が進める認可外保育施設の認可移行で、越境通園の「広域入所」を認める自治体は那覇、沖縄、嘉手納、中城の4市町村にとどまることが沖縄タイムスの調べで分かった。浦添、宜野湾、南城、南風原の4市町は「待機児童が多い」との理由で広域入所を認めず、退園になった園児が出た。専門家は「越境通園の子どもだけ排除するのは保育を受ける権利の否定」と問題視する。(社会部・嘉数よしの、特報・新崎哲史)

 内閣府は認可移行後も「(保育要件を満たす園児の)継続利用に配慮することが望ましい」としている。

 2012年度に始まった県の「待機児童対策特別事業(認可化移行支援事業)」で、17年度までに認可外保育施設の認可化に取り組んだ17市町村に、認可移行後の広域入所について対応を聞いた。

 保護者の就労などの入所要件を満たす園児の継続利用を認めていると回答したのは4市町村。

 那覇市は、原則として在園児は市内外を問わず継続の方針を立て、退園者が出ないよう定員を設定した。0~2歳を預かる小規模保育所に移行した園では、特例で3歳以上も在園を認めるなどの対応を取った。だが、定員減で退園を余儀なくされた事例もあった。

 中城村は保育士の子どもに限り、村外在住でも人材確保のため継続在園を保障した。

 一方で、4市町は広域入所を認めていなかった。浦添市、宜野湾市、南風原町は理由として「待機児童解消を優先させるため」と回答。南城市は「人口増の傾向にあり、入所申し込みの増加が見込まれた。近隣市町村も同様の対応」と説明した。

 他の町村部や離島は「在園児の多くは在住者で、退園の事例は確認できない」などと答えた。恩納村は、隣接する読谷村の児童が多く入所していた園が認可化に伴い、読谷村内に認可外保育施設を新設したことから継続利用を実現した。

 保育問題に詳しい元帝京大学教授の村山祐一さん(保育学)は、認可移行で自治体の対応について「待機児童を出さない整備計画を作り、どうしても受け入れられない場合は近隣の市町村と連携して受け入れ先を調整するべきだ」と指摘した。