第42回沖縄の産業まつりが19日から始まる。那覇市の奥武山公園と県立武道館を会場に21日まで、県内生産者の意欲高揚と県産品に対する消費者意識の啓発を目的に502社が一堂に会する県下最大の産業イベントだ。

 近年は、国内外のバイヤーが訪れるなど県産品を県外に売り込む機会にもなっている。活発な商談の場は県民の消費喚起にとどまらず、外国客にも人気だ。

 県経済の今を知り、未来をうかがう場である。ぜひ足を運んでほしい。

 会場は六つのエリアに分けられ、それぞれに特徴ある展示を紹介。今年はその一つに「新エネルギー産業展」が新設された。

 県内では現在、太陽光発電やバイオマス、海洋エネルギー、太陽熱、風力など新エネルギー産業の台頭が目立つ。離島県の沖縄にとって宿命ともいえるエネルギー確保の問題を逆手にとった試みで、県経済の活況を裏付ける新しい動きでもある。

 省エネルギー化や、環境にやさしいエコ・エネルギーの開発は、物流や土地利用にハンディがある離島県にこそ必要な分野だ。産業まつりでは、新エネルギー産業の可能性に触れたい。

 「ものづくり」の分野にも新風が吹く。金型などの製造業の技術開発などを手掛けるものづくりネットワーク沖縄(うるま市)は、ヤマハブランドで製造した県産電気自動車を初展示する。県産食品・飲料関係のアジア進出も相次ぐ。躍進の背景にあるのは、技術や質の向上による競争力の高まりだ。

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 好調な沖縄経済は外国人観光客の増加など観光がけん引するが、持続的な発展に産業の多様性は欠かせない。今回の産業まつりは、これまで全国に比して弱いといわれてきた製造業分野で、環境関連製品や植物工場など県産品の展示バリエーションが増えており歓迎したい。

 製造業は人材育成に時間がかかる。こども科学実験室や「おやこであそぼ。おきなわのうみ」など、ものづくりに対する子どもたちの好奇心をかき立てるイベントも、車の両輪のごとく重要だ。

 多種多様な企業が軒を並べる会場は、消費者の反応をじかに感じることができる場でもある。

 県産品を県民が買うだけでは足りない。県外や海外の市場開拓のヒントを得る場としても活用すべきだ。

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 「これまで基地経済に組み込まれて苦労してきたが、現在は海洋博後の失業の増大や倒産など経済不安の中にある。なんとか県民の総力で産業振興を推進する手がかりをつかみたい。そして生産的な経済体質をつくりたい」

 1977年に初めて開催された産業まつりは、戦後の基地経済からの脱却と、沖縄海洋博覧会後の不況を県民の力で乗り越えようとした当時の平良幸市知事の肝いりだった。

 県民による県民のための経済発展を目指してきた沖縄の産業まつり。先達の知恵を受け継ぎ、発展させる場としての意義も再確認したい。