ピシッと伸びた背筋に憧れ、意識して、伸ばしてみるが、気づけば、猫背でPCのキーボードをたたいている。育ちの良さだけではなく、品格とか、生きざまとか、真面目さとか、芯の強さが、姿勢一つを取っても現れるなぁ、と背を丸めて考えこむ…。

「日日是好日」

 茶道を通して、季節の移り変わり、自然界と人間との共存、人生の機微を見つめた同名のエッセーを原作に作られた本作。茶道を始めた主人公が、ちょっとずつ、でも確実に変化していく様子は、感動的であると同時に、嫉妬に似たうらやましさを感じる。

 細くて可憐(かれん)で、柔らかいのに、揺るがずに、凛(りん)とまっすぐに立ち、強さと優しさを兼ね備えた一輪の花のよう。師範役の故樹木希林さんも、人生の集大成かのように、堂々と、しかし優しく美しくたたずんでいる。今すぐにでも、茶道教室に飛び込みたい気分。(桜坂劇場・下地久美子)

 ◇桜坂劇場で27日から上映予定