想像や妄想の世界は、抗えない現実から少しの間逃避することを許してくれる。もちろん、逃避し続けていては妄想に飲み込まれるが、その場所がなければ壊れてしまうしかない。

「バーバラと心の巨人」

 バーバラはウサギの耳を常にその頭に乗せ、誰とも交わらず、街が巨人に侵略されないようにさまざまな手だてを講じ、次第に近づいてくる“その日”を何とか回避したいと日々奮闘している。

 そんな彼女の行動が、家族や学校で理解されるわけもなく孤立は深まるばかりだが、バーバラは平気だ。

 巨人の襲来が何を意味するのか序盤で私たちは理解する。同時に、彼女を助けてやれる手段は他者になく、バーバラ本人が“受け入れる”闘いをしなければならないことにも気付くのだ。

 原題は「I KILL GIANTS」。巨人の正体にスクリーンがかすむ。

(スターシアターズ・榮慶子)

◇ミハマで上映中