社説

社説[那覇市長 城間氏再選]県と連携し新たな風を

2018年10月22日 07:00

 翁長雄志前知事がタネをまいた「保革を超えた政治」の形は、さまざまな困難に遭いながらも絶えることなく引き継がれ、この土地に根を下ろしつつある。

 任期満了に伴う那覇市長選は、21日投開票され、無所属で現職の城間幹子氏(67)が、自民・公明・維新・希望の推薦を受けたベテランの翁長政俊氏(69)を大差で破り、再選された。

 選挙戦の流れを決定づけたのは県知事選だった。

 玉城デニー知事を誕生させた「オール沖縄」勢力は、その勢いで豊見城市長選に勝利し、追い風に乗って再び県都那覇市を制したのである。

 城間氏は「平和・子ども・未来・あなたとともに」をキャッチフレーズに、協働によるまちづくりや子育て支援を前面に掲げた。

 教育畑出身の女性市長として、子ども医療費の無償化の拡充や給付型奨学金の創設、新たなコミュニティーとなる小学校区まちづくり協議会の推進などを訴え、幅広い支持を得た。

 玉城新知事とセットで選挙運動を展開し、翁長前知事の遺志を継いで玉城県政を支える姿勢を鮮明に打ち出したことも、有権者から評価され、圧勝につながった。

 県議を5期務め、自民党県連幹事長や那覇市の収入役などを歴任した翁長候補は、切り札のような存在だった。

 県知事選に続いて那覇市長選でも大敗したことは、自民党県連の組織力の低下を示すと同時に、辺野古をめぐる自公のあいまいな対応への批判と受け止めるべきである。

■    ■

 投票率は48・19%で、県知事選とのダブル選挙となった4年前と比べ、17・06ポイントも低かった。

 強力な2人の候補者による一騎打ちの選挙だったことを考えれば、予想外の低い投票率である。なぜ、そうなったのだろうか。

 知事選からわずか3週間しかたっておらず、有権者に「選挙疲れ」があったことは否めない。天気がよく、県内でさまざまなイベントが開かれたことも投票率に影響したかもしれない。

 加えて陣営内部の足並みの乱れによって翁長氏側に厭戦(えんせん)気分が広がったことも見逃せない。

 翁長氏の劣勢が伝えられていたにもかかわらず、政府は、県が行った辺野古の埋め立て承認撤回について、法的な対抗措置に踏み切った。

 県民感情を逆なでするような強硬策が、選挙終盤に、政府によって打ち出されたのである。

■    ■

 翁長陣営からは「選挙を捨てたのか」と、悲鳴にも似た叫びが上がった。選挙終盤に有力幹部のスキャンダルが表面化したこともあって、もはや戦う空気ではなかった。

 県知事選の時もそうだったが、今度の那覇市長選でも一部全国メディアが、投票が終わった直後の午後8時、早々と城間氏の「当確」を打った。両陣営の勢いの違いがそれだけはっきりしていたのである。

 この事実にもっとも謙虚に向き合うべきなのは政府である。二つの選挙は政府が敗れた選挙でもあったのだ。

 
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