近年、ヒートアイランド現象などにより年間の平均気温が高くなっています。沖縄は海に囲まれていることもあり、夏は比較的過ごしやすく冬も温かく快適ですが、このような気候は虫たちにとっても活動しやすいため一年を通して注意が必要となります。

イラスト・いらすとや

 モモタマナは枝を横に伸ばして日陰を作ってくれるので公園などの駐車場に多く植えられています。しかし、春先に大発生する毛虫(タイワンキドクガ)がつきやすく、下を通っただけでも落ちてきた毛虫の毛で皮膚炎を起こします。また毛虫に近づかなくても風に乗って運ばれた毛が洗濯物に付き、湿疹の原因となることもあります。

 毛虫に限らず、虫に刺されるとすぐにかゆくなると思われがちですが、刺されて数時間後にはじめて発赤(はっせき)やかゆみが出てくることがあり、そうなるといつどこで刺されたか自分では分からなくなります。毛虫皮膚炎が疑われた患者の8割は毛虫と接触した記憶はないと答えています。また、あまり虫に刺されたことがない乳幼児は大人よりも反応が強く出やすいためかき壊してしまいがちです。

 さらに、数日後にかゆみが再燃する遅延型反応もあり注意が必要です。筆者がハチに刺されたときは、すぐに強い痛みと発赤がでて、翌日は非常にかゆくなりました。数日で症状はおさまったのですが、十日後から再び発赤とかゆみが出て非常に困った経験があります。いったん症状がよくなっても油断してはならないと実感しました。

 治療にはステロイド入りの軟こうが用いられます。かき壊して細菌に感染すると“とびひ”になってしまうので、完全に皮膚炎が治まるまでしっかりした治療が必要です。具体的には、かゆみがなくなっても発赤がなくなるまで軟こうを続けて使用する、数日後に再び発赤やかゆみが出てきたら治療を再開する、細菌感染があるときは抗生剤を併用することが大切です。

 できるだけ虫のいそうな場所を避け、肌の露出を減らし虫よけスプレーを活用しましょう。(平良清人 美里ヒフ科)