プロの漫画家を目指している沖縄県南城市玉城出身のミナミトさん(28)=本名非公表=が、全国販売の月刊男性漫画誌「まんがタイムきらら」で7月号から作品「海色マーチ」を描いている。プロを目指し、3回目の挑戦でつかんだ連載は奥武島の海を題材にした。順調にいけば来年の夏ごろには単行本を発売できるといい「漫画家として活躍し、作品を通じて沖縄の魅力も伝えたい」と意気込んでいる。(南部報道部・知念豊)

「海色マーチ」のひとコマ

「プロで活躍できるよう頑張りたい」と話すミナミトさん=18日、南城市の自宅

「海色マーチ」のひとコマ 「プロで活躍できるよう頑張りたい」と話すミナミトさん=18日、南城市の自宅

「けいおん!」「ひだまり」掲載誌で連載

 海色マーチは地元玉城の奥武島をモデルにした「宇御島」に、埼玉県から引っ越してきた中2の女子の小波周(さざなみ・あまね)と、地元の中2女子の比屋定珊瑚のドタバタな日常を描いた4コマギャグ漫画。「けいおん!」や「ひだまりスケッチ」などで知られる同誌に掲載され、作品の認知度が広がってきている。

 ミナミトさんが漫画を描くくようになったのは小学高学年で、家族や友人に見せて喜んでいたという。大学3年生の頃、興味があったペンタブレットを購入。パソコン上で自在に絵を描ける楽しさにはまり、腕を磨くためにデッサンも学んだ。描いた作品はSNSに投稿し、思いがけないほどの反応があった時には描く喜びに浸ったという。

 大学卒業後は県内の出版社に就職したが、絵を描く仕事がしたいとの夢を諦められず約2年で退職した。2016年8月に、SNSに投稿した絵を見た同誌の編集者から誘いを受け、本格的にプロ漫画家としての道を歩み始めた。

 17年3月号にゲスト作家として初めて漫画を掲載したが3話で打ち切りに。次にその年の11月号から作品掲載するも2話でだめになり、プロ作家がひしめき合う業界の厳しさに落ち込むこともあった。

 3回目の挑戦となった今作品は前回までの作風とは一変。子どもの頃に奥武島の海に潜ってクマノミやヒトデ、ナマコなど海の生き物に出合ったことや浜辺で遊んだ体験を生かし、同誌では珍しいという「海」をテーマにした。

 同誌の編集担当者は「画力も高く、主人公の女の子もとてもかわいい。モノクロの漫画だと難しい沖縄の海も繊細に描かれている」と評価。「沖縄で生まれ育ちきれいな海を見てきたミナミト先生だからこそ描ける作品だ」と力を込めた。

 ミナミトさんは「失敗の連続で心も折れかけたこともあったが、チャレンジを続けてようやくつかんだチャンス。長く活躍できるよう頑張っていきたい」と笑顔を見せた。