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普天間飛行場に有害物質、高濃度で汚染 2016年・米海兵隊調査 民間地域へ流出か

2018年10月27日 19:00

 【ジョン・ミッチエル特約通信員】米軍普天間飛行場が発がん性も指摘されている残留性有害物質のPFOS(ピーホス)やPFOA(ピーホア)によって高濃度に汚染されていることが、沖縄タイムスが米情報公開法を通じて入手した米海兵隊の内部資料によって分かった。米海兵隊が同飛行場の汚染を確認していたことが明らかになったのは初めて。県による調査で同飛行場周辺の民間地域ではPFOSなどの汚染水が確認されている。基地の外へ流出の可能性が高いが、海兵隊は因果関係を一切認めていない。

PFOAとPFOSが高濃度の数値を示す環境調査の分析書(米情報公開制度で入手)

 本紙が入手した海兵隊文書によると、2016年2月に同飛行場内消防訓練地区の汚水を調査したところ、1リットル当たりPFOSが2万7000ナノグラム、PFOAは1800ナノグラム検出された。

 米環境保護庁(EPA)の定めた飲料水の勧告は、両物質を合わせて70ナノグラム以下と定められ、これを25~385倍も上回った。

 これらの残留性物質は、泡消火剤に含まれている。がんを含む深刻な病気や特に胎児への悪影響を引き起こす原因になり得る。 

 米海兵隊は本紙の取材に対して、普天間の9格納庫のスプリンクラー装置や不特定数の緊急車両などにPFOSとPFOAが含まれる泡消火剤を設置・搭載していると説明。泡消火剤が回収・交換されるまでに、有害物質は数年残ると認めている。

 県によるここ数年の水質調査で、普天間飛行場の地下や近郊から地下水が流れ込む周辺の湧き水から高濃度のPFOSやPFOAが検出されている。しかし、海兵隊は普天間飛行場が、民間地域の汚染源であることを認めていないばかりでなく、同飛行場内のPFOS、PFOAの汚染も認めていない。海兵隊は県との協議すら拒否し続けている。

 海兵隊は本紙に対し16年3月以降は、消火訓練では水だけを使用していると説明。だが、県が実施した民間地域の水質調査を見ると、全体として汚染が改善傾向にあるとはいえない。同飛行場に近い宜野湾市喜友名のチュンナガー(湧き水)では、16年夏のPFOSとPFOAは1リットル当たり計1300ナノグラムだった。17年夏には計880ナノグラムに下がったものの、同年冬には1000ナノグラムと再び上昇している。

 PFOS 水や油をはじく性質のあるフッ素化合物。以前は泡消火剤のほか油圧作動油、ワックスなどに幅広く利用されていたが、自然界ではほとんど分解されないため、2000年前後から体内蓄積によるがんや胎児・乳児の発育障害などの原因となる恐れが指摘され始めた。国内では現在、事実上の製造禁止。在日米軍に適用される「日本環境管理基準」の有害物質リストに16年、PFOSは追加された。一方、医学的な証拠にもかかわらずPFOA(フルオロオクタン酸)はまだ記載されていない。

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