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[大弦小弦]翁長雄志前知事の「遺産」の一つに…

2018年10月29日 08:27

 翁長雄志前知事の「遺産」の一つに、筋を通すことへのこだわりがある。過去、米軍が事件や事故を起こすと、県から抗議に出向くのが通例だった。それを改め、県庁に来させるよう努力した

▼「なぜ被害を受けた側が行くのか」。県幹部は素朴な疑問が出発点だったと振り返る。翁長氏が提起して、沖縄担当大使や沖縄防衛局長は県庁に足を運ぶようになった

▼一方、当事者の米軍は犯罪が起きると来るが、訓練中の事故では渋ることが多い。戦闘になれば事故どころか死者さえ付き物。軍の論理では不時着などは軽微な事案で、県民の不安には思いが及ばない

▼政府の卑屈さも一因だろう。防衛相は沖縄に来ると基地内に四軍調整官(中将)を訪ねることが多い。片や米国で言えば国防長官、片や米軍に600人以上いる将官の1人。格からも、防衛局など日本側の施設に呼ぶべきではないか

▼日本が独立を回復した直後の1952年には、米軍司令官が当時の吉田茂首相と外相を自宅に呼び付けた。その場で有事には日本の部隊が米軍の指揮下に入るという密約をのませた。隷従の歴史は脈々と続く

▼翁長氏の遺志を継ぐ玉城デニー県政には、米軍に道理を説く努力も続けてほしい。政府にできないなら、沖縄が。それは、いまだ「独立」を果たせないこの国の姿への問いでもある。(阿部岳)

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