【久米島マラソン取材班】28日に開かれた第30回久米島マラソン(沖縄県久米島町)では、沿道のぬくもりあふれる声援がランナーを後押しした。島の人が協力してサプライズの結婚祝いもあり、一人一人の思い出に刻まれる節目の大会となった。

21世紀の森RUNクラブのメンバーが見守る中、4月に結婚した木暮康友さん(左)から指輪をはめてもらう妻・沙織さん=28日、久米島町営仲里野球場

完走した2人

 名護市の21世紀の森RUNクラブ(比嘉三雄会長)は、20年来の付き合いがある千葉県の公務員、木暮康友さん(53)と、妻の沙織さん(39)の結婚をサプライズで祝った。

 ゴールの仲里野球場で10人余が青い花の冠やブーケ、指輪を準備して待機。フルマラソンを約6時間かけて完走した2人の「指輪交換」を温かく見守った。

 海遊びがきっかけで知り合った康友さんに会うたびに、比嘉会長らは「好男子なのに独身。誰かいい人いないかねとやきもきした」という。

内緒で準備

 趣味のマラソンを通じて2014年に出会った康友さんと沙織さんは、今年4月に結婚した。披露宴を開いていない夫妻のために、クラブが祝いの場に選んだのは、クラブで20年以上、康友さんも08年から出場を続ける久米島マラソン。

 なじみ深い島の人の「連れておいで。ヤギをつぶしてお祝いしよう」という一言がきっかけだった。大会前の1カ月間、内緒で準備した。

 「純情。優しくてマッサージもしてくれる」(沙織さん)「たくましくて一緒に走れる」(康友さん)と互いにほれ込む2人。思いがけない祝福に「言葉が出てこないほど幸せ。ものすごく記念になる大会になったね」とほほ笑みあった。

皆でヤギ汁

 今大会には、伴走の縁で2人の仲を取り持った弱視の走者、荒谷惇子さん(70)=東京都=も偶然、初めて参加した。序盤、夫妻と共に走った荒谷さんは「神様も粋なことをする。心からおめでとう」としみじみ。

 比嘉会長の妻、増美さん(64)は琉球ガラスの指輪を贈り「久米島マラソンあっての出会い。島の人には本当に感謝している」と喜んだ。皆でヤギ汁も食べた。