養殖業の紅仁(あかじん)(大宜味村、後藤徳彦代表取締役)は、沖縄の三大高級魚として知られるアカジンミーバイ(スジアラ)を赤く成長させる養殖技術を使って、津波小学校跡地で陸上養殖を始めた。沖縄県内や市場価値の高い中国、東南アジアに向けて出荷を目指している。

津波小学校跡地の体育館で陸上養殖されている高級魚のアカジンミーバイの稚魚=10月23日、大宜味村津波

陸上養殖されている高級魚のアカジンミーバイにエサを与える関係者=大宜味村津波

津波小学校跡地の体育館で陸上養殖されている高級魚のアカジンミーバイの稚魚=10月23日、大宜味村津波
陸上養殖されている高級魚のアカジンミーバイにエサを与える関係者=大宜味村津波

独自のノウハウ

 後藤代表が共同代表を務める中国の会社では2015年、人工ふ化で赤く成長させたアカジン(500~600グラム)を37万5049匹出荷した。中国で成功している養殖技術を大宜味村でも活用する。

 昨年6月、後藤代表が紅仁を立ち上げた。16年の学校統合に伴い廃校となった津波小学校を村から借り受け、体育館に15トン水槽を36基設置。そのうち18基に中国から輸入したアカジンの稚魚を今年9月に約8千匹入れ、養殖を開始した。ヤイトハタ(アーラミーバイ)なども養殖する。

 アカジンをきれいに赤く成長させるのは難しく、通常の養殖では赤黒い個体に成長するという。後藤代表は独自のノウハウを生かし「天然ものと同じように色鮮やかな赤いアカジンを養殖できる」と話した。

中華圏で倍以上

 アカジンは、中国や東南アジアでも高級食材として知られており、国内での取引価格は1キロ当たり2500~3千円で、中華圏などでは価格が倍以上になるという。来年9月ごろに1・5~2キロまで赤く成長したアカジン約5千匹の出荷を見込んでいる。

 10月23日の運用開始セレモニーには、大宜味村の島袋幸俊副村長や関係者らが参加し、養殖場を見学した。島袋副村長は「シークヮーサーに匹敵するような村の新たな産業として成功させたい」と喜んだ。

 後藤代表は「アカジンはデリケートな魚なので、赤くするのは難しい。必ず赤く育てるので出荷を楽しみにしてほしい」と意気込んだ。

 アカジンの養殖は石垣島で国立研究開発法人水産研究・教育機構も取り組んでおり、国内外への出荷に向けた事業が活発化している。(北部報道部・山田優介)