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10キロやせた…与那国の事務局長の心労 議長選に費やされた「空白」の1カ月

2018年11月1日 07:00
 

 使われた投票用紙計990枚、与野党議員に支払われる交通費など計23万円-。与那国町議会で開会から1カ月余り繰り返された議長選は100回を目前に控えた31日、与党が引き受け終止符を打った。県内外から相次ぐ批判に押され、与党が外間守吉町長の説得に応じた形だ。関係者は安堵(あんど)する一方、議案審議もせず議長選に費やされた時間と費用の大きさに町民らの不信感は増すばかりだ。抜本的な議会の改革を望む声も上がった。

通算99回を数えた議長選で使われた投票用紙の束=31日、与那国町議会

「雨降って地固まる」

 「100回続けたらずるずる同じ形になる。これ以上町民に迷惑を掛けられない」。与党の前西原武三氏は31日、これまで辞退し続けた議長職を引き受けた理由を記者団に語った。

 開会から続く心労でこの間10キロ余り痩せたという議会事務局の米城資晴局長は「長かったが、決まって良かった。想定外だったが、雨降って地固まる。これからは町民のために与野党が一丸となってほしい」と願った。

 一方、町民からは「税金の無駄遣い」などの批判が相次ぐ。かつてない事態に、全国のメディアから町が不本意な形で注目されたと憤る声がやまない。

「こんな形で全国に」

 今議会を3度傍聴し議長選出を見届けた50代男性は「今まで決まらず歯がゆかった」と胸をなで下ろす。「変な意味で与那国の名前が全国に売れてしまったのは、本当に恥ずかしい」と下を向いた。

 買い物中の50代女性は「駆け引きはあるだろうが、あまりにも決めるのが遅すぎる。町民のための仕事はもっとたくさんある。これで多少は前に進んでほしい」と話した。

 70代男性は「90回とか100回とか回数の問題じゃない。ここまで長引いたのは与那国の恥。今日決まらなければ町長のリコールにも発展した」と怒り心頭の様子。「(与党は)苦渋の選択と言ったが、議長は与党から出すのが常識だ。それを教育長人事問題などで辞退してきたのはおかしい」と指摘した。

議会の改革と住民に説明を

 琉球大学の島袋純教授(政治学)の話 住民の批判を真摯(しんし)に受け止め、抜本的に議会を変えていくべきだ。早急に公聴会を設けて説明責任を果たし、住民とともに議会の将来を考え思い切った改革が必要。地方自治法が想定しているのは、与野党ともに是々非々で望む「首長」対「議会」の機関競争主義。行政にべったりの与党では議会が機能しなくなる現実がある。議会とは何か、二元代表制とは何かといった原点を無視してはいけない。

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