社説

社説[FC琉球J2昇格]超攻撃サッカーが開花

2018年11月5日 08:40

 見事な快進撃だった。

 サッカーJ3で首位を独走するFC琉球が3日、ホームのタピック県総ひやごんスタジアムで3位のザスパクサツ群馬を4-2で下し快勝。創設15年、J3参入5年目にして初の優勝と来季からのJ2昇格を同時に決めた。

 沖縄サッカー界に新たな歴史を刻む快挙である。今季ホーム戦最多の約8千人の観衆がスタジアムを埋め、勝利の瞬間、割れんばかりの歓声を上げ、喜びを爆発させた。

 琉球の選手はもちろん、サポーター、ファンとともに喜びを分かち合いたい。

 今季の琉球は7月に首位に躍り出ると、一度も譲ることなく、そのままの勢いで優勝まで駆け抜けた。

 2016年から指揮を執った金鍾成監督が自身の信条である「超攻撃サッカー」のチームに育て上げたことが大きい。同年8位、17年6位と着実に順位を上げていた。

 超攻撃サッカーとは何か。失点するリスクを恐れず積極的に攻め込み、「3対1で勝つサッカー」のことである。

 この日の試合が典型的だった。終始、相手陣営で攻め、2点を与えたものの、4点を挙げた。群馬の監督が「素晴らしい攻撃力を抑えることができず、破壊力があった」と舌を巻くほどだった。

 琉球に絶対的な選手はいないが、それが逆に、ボールを持つとパスを回しながら相手の隙をうかがい、左右や中央と縦横無尽に相手ゴールを狙う豊富なバリエーションを生み出している。最後まで攻撃をやめない体力と緻密な連係プレーが琉球の強みである。

    ■    ■

 琉球は発足当時から資金難など苦労の連続だった。

 創設当時の03年は、Tシャツにチーム名をプリントしたユニホームを着用。活動資金を捻出するため、選手自ら南大東島で土木作業に従事するなど、とてもサッカーに打ち込めるような状況ではなかったという。練習場所の確保もままならない日々だった。

 06年にJFLに昇格してからも、成績も経営も厳しい環境が続いた。苦難の連続を乗り越えてのJ2昇格だけに草創期に関わった人たちの感慨はひとしおだ。

 J2では現在、22チームが競っている。有名チームや日本代表になった選手が所属するチームもある。ハイレベルの試合が待っている。

 琉球は、県外のJチームや高校・大学で活躍する県出身選手の受け皿にもなろう。そのためにはJ2に定着する力をつけなければならない。

    ■    ■

 J2のホーム戦で沖縄で一流選手のプレーを間近で見ることができるのは楽しみだ。サッカー少年・少女に与える夢と刺激も大きい。サッカー少年らは早速、J2の上位チームとの対戦を「わくわくする」と目を輝かせていた。

 J2昇格決定によって県民のサッカー熱が高まるのは間違いないだろう。選手の闘志あふれるプレーに火を付けるのはサポーターやファンの熱烈な声援だ。

 残り試合もまだある。来季のJ2昇格に向け、多くの県民がスタジアムに足を運び、「わったー島のチーム」をたたえてほしい。

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