久米島漁協(渡名喜盛二組合長)がこのほど、沖縄県久米島町宇根の真泊漁港に直営店「海人食堂」をオープンした。昼食を出し、海の幸は全て新鮮な地元産を使う。呼び物は日本一の生産を誇る島の車エビの塩焼き。5尾700円と格安で、客が自ら網で焼く。日中に車エビを味わえる店が少ない中、島おこしにと売り出した。(南部報道部・堀川幸太郎)

日本一の車エビの産地で、客が自ら焼いて味わう=10月29日、久米島町宇根・海人食堂

久米島漁協が営む海人食堂

海人食堂の場所

日本一の車エビの産地で、客が自ら焼いて味わう=10月29日、久米島町宇根・海人食堂 久米島漁協が営む海人食堂 海人食堂の場所

 車エビの塩焼きを注文すると席にエビと網焼き用のガスこんろが運ばれる。客が中火で1、2分あぶり、体が赤く色づくと食べ頃。ぷりぷりした食感と、うまみがじゅわっと口にあふれる。島ならではの海洋深層水の塩をかければ、甘みが際立つ。

 刺し身も可能な新鮮さだからこそ、レア気味など好みの焼き加減を楽しめる。10月~翌年6月の水揚げ期間は、ほぼ毎日取れたて。7~9月も生きたまま瞬間冷凍して鮮度を保ったエビを味わえる。

 「炉端焼き」は水産加工場長の田村圭介さん(38)=群馬県出身=のアイデア。2011年に島に移り住み、車エビを求める観光客が多い割に昼に出す飲食店が少ないと感じたのが原点という。

 車エビだけでなくソデイカのマース干し(500円)、モズク入りお好み焼き(800円)も客が鉄板で焼く。アーサやモズク、イカスミ入りジューシー(各200円)や久米島そば(650円)などのほかに週替わり献立もあり、10月末は車エビやマグロが入ったそばだしカレーにモズクの小鉢、アーサ汁付きで800円だった。

 漁協によると鮮度と価格は自信満々。しかし未経験の食堂経営はこわごわだという。10月中旬に告知なく、こっそり開店した。口コミが流れ始めた頃合いを見計らい、漁協はネットでPR。島の人も次々と発信してくれた。

 田村さんは「島ぐるみで店を育ててくれるようだ」と温かみを感じた。漁協参事の宮里真次さん(60)は「観光客の飲食店巡りにつなぐだけでなく、島の人も気軽に立ち寄れる店にしたい」と、広く島の海の幸を売り込む考えだ。

 車エビやモズクなどの全国発送も受ける。住所は町宇根414。営業は午前9時~午後4時。食事は午前11時半~午後2時で、土曜日は提供なし。日曜・祝日、偶数週の土曜休み。問い合わせは、電話098(985)8217。