名護市辺野古の新基地建設で、沖縄防衛局が2015年11月から今年3月末まで実施したキャンプ・シュワブ沿岸域の生物等調査で、沖縄本島周辺に生息していたとみられるジュゴン3頭のうち「個体C」と呼ばれる1頭を確認できなかったことが7日、分かった。識者は「個体Cを見失っていたにもかかわらず、ジュゴンに影響はないと結論付けて工事を進めたことは大きな問題だ」と指摘した。

5月30日、護岸工事が進行していた名護市辺野古沖(2018年撮影)

 同調査では、本島周辺の広域やジュゴンの出現頻度が高い重点海域を延べ25日間にわたり観測した。

 名護市嘉陽の海域と今帰仁村古宇利島の海域で、個体Aが延べ18回、個体Bは延べ4回出現。識別不明個体も1回見られた。

 防衛局のこれまでの調査で個体Cが確認されたのは、15年5月が最後。今回の調査では、個体Cの行動範囲をうるま市伊計島以北沖から古宇利島海域までと推測し広範囲を調査したが、確認されなかった。

 日本自然保護協会の安部真理子主任は「普通に考えれば、新基地建設の工事がジュゴンを追い出したとしか考えられない。ジュゴンを確認していない状況では、影響がないかどうか予測する根拠がないのでは」と工事を問題視した。