沖縄県立博物館・美術館は7日、同館で会見し、南城市「ガンガラーの谷」にあるサキタリ洞遺跡、北谷町伊平の伊礼原E遺跡の2カ所で、県内最古となる約5500年前の赤色顔料が見つかったと発表した。同館の学芸員は「古くから赤色顔料を使っていた九州の文化が縄文時代前期に県内に波及した可能性がある」と説明した。

サキタリ洞遺跡で見つかった砂岩(左)と、伊礼原E遺跡で見つかった土器=7日、那覇市おもろまち、県立博物館・美術館

発掘調査の経緯などを説明する県立博物館・美術館の山崎真治主任学芸員(左)、北谷町教育委員会の山城安生主任主事=7日、那覇市おもろまち、沖縄県立博物館・美術館

伊礼原E遺跡があった場所

サキタリ洞遺跡で見つかった砂岩(左)と、伊礼原E遺跡で見つかった土器=7日、那覇市おもろまち、県立博物館・美術館 発掘調査の経緯などを説明する県立博物館・美術館の山崎真治主任学芸員(左)、北谷町教育委員会の山城安生主任主事=7日、那覇市おもろまち、沖縄県立博物館・美術館 伊礼原E遺跡があった場所

 これまで県内で顔料の利用が確認されていた約3500年前を約2千年さかのぼる発見となった。見つかったのは鉄を含む「ベンガラ系」の赤色顔料で、身体の装飾や土器の色付けなどに使われていた可能性があるが、詳細は分かっていない。

 サキタリ洞遺跡で出土したのは、表面に赤色の粉末が付いた直径約9センチの砂岩。縄文時代前期の条痕文土器やイヌの骨なども同時に発掘された。

 調査の過程で、北谷町教育委員会も赤色顔料が塗られた可能性がある曽畑(そばた)式土器を伊礼原E遺跡から発掘していたことが分かり、分析の結果、サキタリ洞の出土品とほぼ同時期の赤色顔料であることが分かった。

 九州では約1万3千年前から赤色顔料が利用されていたといい、約5500年前ごろに、九州の土器やイヌの飼育など九州的な文化要素が沖縄に波及したと考えられているという。

 同館の山崎真治主任学芸員は、赤色顔料の利用も九州の縄文文化から影響を受けた可能性を挙げ「縄文時代前期に沖縄と九州のつながりがあった証拠になる。今後詳しく検討したい」と話した。