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沖縄返還後の核再持込み密約「現在も有効」 交渉担当のハルペリン氏証言 現実性は否定

2018年11月9日 05:00

 【平安名純代・米国特約記者】米国防総省の元上級担当官として沖縄施政権返還交渉を担当したモートン・ハルペリン氏は、同省が2015年に公表した歴史書に記されている日米両政府が1969年に合意した沖縄返還後の核再持ち込みを認めた密約について、「現在も有効だ」と証言した。8日までに、沖縄タイムスのインタビューに答えた。日本政府は2010年、同密約は当時のニクソン大統領と合意を交わした佐藤栄作首相の私蔵文書と結論付けたが、ハルペリン氏は、日米首脳が交わした国家間の合意との認識を示した。

米ワシントン市内の自宅で沖縄タイムスの取材に応じるモートン・ハルペリン氏

米国防総省が公表した歴代国防長官の歴史書。ピンクの部分に「米国は(核)兵器を撤去するが、危機の際は再び持ち込む権利を維持する」と記されている

米ワシントン市内の自宅で沖縄タイムスの取材に応じるモートン・ハルペリン氏 米国防総省が公表した歴代国防長官の歴史書。ピンクの部分に「米国は(核)兵器を撤去するが、危機の際は再び持ち込む権利を維持する」と記されている

 国防総省が15年に公表した歴代国防長官の歴史書第7巻(メルビン・レアード長官、1969~73年)には、「協定(71年の沖縄返還協定)は、核軍備について明記していないが、第7条は、米国が(沖縄)返還を69年のニクソン・佐藤の共同声明で示された、日本の領土内での核兵器の保有を禁止する日本の政策と『一致した形で』実行すると記している。米国は(核)兵器を撤去するが、危機の際は再び持ち込む権利を維持する」と記している。

 ハルペリン氏は、「米政府内で『核のない沖縄返還』に関する合意は容易ではなく、これが合意に達する唯一の方法だった」と述べ、核を手放したくない米軍を説得するための材料として同文言が盛り込まれた背景を説明した。

 国防総省の歴史書に盛り込まれた同密約に関する記述について、「アイゼンハワー政権は核兵器の使用を前提としていたが、ケネディ政権は核使用を前提としない方針へと変更し、現在まで維持されている」と指摘。ニクソン氏以降の政権は、密約の内容を把握しておらず、米軍の計画にも反映されていないとし、「(沖縄に核を再持ち込みする)現実性は極めて低い」との見解を示した。

 【ことば】沖縄核密約 日米は沖縄施政権返還で合意した1969年11月の首脳会談で、核兵器撤去と日米安全保障条約の適用を意味する「核抜き本土並み」を条件としたが、その際、有事に米軍が核を沖縄に再び持ち込むことを認めた秘密合意。キッシンジャー米大統領補佐官との交渉に当たった国際政治学者の若泉敬氏は94年出版の著書で、日米が秘密合意議事録を作成し、首脳会談で佐藤栄作首相とニクソン大統領が署名する段取りだったと暴露。両首脳の署名入りの合意議事録を佐藤氏の遺族が保管していたことが2009年分かった。日米密約を調べる有識者委員会は、合意は佐藤氏限りで、国家間の密約ではなかったと結論付けた。

 

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