社説

社説[玉城知事初訪米]県系人の支援広げよう

2018年11月12日 08:20

 玉城デニー知事が11日、辺野古新基地に反対する考えを米政府や議会関係者、米国の市民に直接伝えるため、訪米した。

 15日まで滞在し、ニューヨーク大では市民を対象にした講演会を開催。ワシントンでは政権に近い高官や議員らとの面談実現を目指し、過重な基地負担や、過去最多得票で当選した沖縄の民意を説明したい考えだ。

 故翁長雄志前知事の初訪米が就任から約6カ月後であったことと比べると、玉城知事の訪米は就任から約1カ月後と異例の早さである。

 ニューヨーク・タイムズ紙は玉城知事の当選直後、社説で「ワシントンと東京(日米両政府)は妥協案を見つける時だ」と新基地の見直しを主張。政府、与党が全面支援した相手候補を破ったことに「新基地は不要との沖縄の民意である」と論評した。日米両政府とも耳を傾けるべきだ。

 米政府には米国が基地を使用する当事者であることを認識させ、新基地が負担軽減に逆行することを説得力をもって指摘する必要がある。

 県人会との交流では、新基地建設反対の世論を喚起し、現地メディアにも積極的に働き掛けて沖縄の民意を発信してほしい。

 玉城知事は米海兵隊を父に、ウチナーンチュを母に持つ日本で初めての知事である。米メディアの関心も高い。

 米中間選挙の直後でタイミングとしては決していい時期とはいえないが、新知事が米国で直接、沖縄の実情を説明し、考え方を伝えることは理解を広げる上で重要だ。

    ■    ■

 今回の玉城知事の訪米に合わせ、海外に住むウチナーンチュが新基地建設反対を後押ししているのは心強い。玉城知事が世界に広がる県系人のネットワークに協力を求めたことに応えたものである。

 新基地を巡る沖縄の深刻な状況に対し、立ち上がろうと呼び掛ける「玉城デニー沖縄県知事を支持する声明」をインターネット上で発表し、署名を募っている。

 北米、南米、スペイン、沖縄と四つの地域に住むウチナーンチュらが声明の作成に関わり、四つの言語で呼び掛けた。しまくとぅばが近く加わる。署名は11日時点で、約900人に達している。

 世界には約42万人、北米には約10万5千人のウチナーンチュが生活している。賛同する署名が増えれば、玉城知事を支援し、日米両政府に新基地見直しを求める大きな力になるはずである。

    ■    ■

 日本外国特派員協会での会見で明らかになったように、新基地建設の現状は必ずしも正確に外国メディアに伝わっているとはいえない。

 米国の議員らを沖縄に招き、現状を視察してもらう考えも玉城知事にはある。沖縄の声を米国議会に届けるためには有力議員とのパイプづくりが有効だ。

 玉城知事にはわかりやすい言葉で、なぜ新基地建設に反対するのかを説明してもらいたい。さまざまな選挙で繰り返し反対の民意が示されてきたにもかかわらず、工事を強行すれば沖縄の米軍基地全体が不安定化する恐れがある。

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