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  • 新生児医療の進歩で重い障害や医療的ケアが必要な子が10年で倍増
  • 改正障害者総合支援法で沖縄県も医療的ケア児の支援体制を整備へ
  • 現在、41市町村でケア児は207人いるが、潜在化している恐れもある

 日常的に医療的なケアが必要な子ども(医療的ケア児)がいる家庭の孤立を防ごうと、県が本年度から、初めて実数把握に取り組む。新生児の救命医療が進歩し、助かる命が増えた一方、重い障がいやたんの吸引などの医療ケアが必要な子どもも増加。十分な障害福祉サービスを受けられず、孤立する家族も多いとみられる。今年6月、県内41市町村への調査で医療的ケア児は207人と出たが、県障害福祉課は「医療や福祉の支援機関とつながらず、潜在化している家庭もある」と指摘。今後、専門コーディネーターの養成や市町村への配置につなげ、支援体制を整えていく。(特報・新崎哲史)

医療的ケア児の推移(0~19歳)

 医療的ケア児は、酸素吸入や鼻からチューブで栄養を送る「経管栄養」などが必要な子どものこと。厚生労働省の推計では2016年に全国1万8千人で、約10年で2倍に増加した。

 就学義務がある小学生以上では、特別支援学校の通学などで把握は進むが、0~5歳児では潜在化している現状がある。

 保育園で預ける場合は医療ケアを担う看護師の配置が必要で、人件費の面で導入する園は少ない。県は14日、過去に医療的ケア児を受け入れた県内5園の関係者らを招いた意見交換会を県庁で開いた。

 県は昨年、常時医療ケアが必要な子が多い小児慢性特定疾患の保護者にアンケートを実施。「復職のメドがつかない」「睡眠不足」「身内に助けてくれる人がいない」などの声が多数寄せられた。

 16年5月の改正障害者総合支援法では、自治体に医療的ケア児を支援する努力義務が課された。

 今年4月、県は第1期の県障害児福祉計画を策定。今後、市町村と連携し、各地で医療、福祉、保育、教育関係者らでつくる支援体制の整備を進めていく。

 県地域生活支援班の下地正人班長は「子どもにかかりっきりで孤立している家族は間違いなくいる。関係機関の連携で支援につなげたい」と語った。

【ことば】

 医療的ケア児 日常的に医療的ケアが必要な0~19歳までの子ども。寝たきり重症心身障害児から歩ける子どもまで含む。知的障がいがなく、肢体不自由にも該当しない子どもは療育手帳や障害者手帳も交付されず、実数の把握が難しいとされる。