子どもの貧困解消につなげようと、沖縄県内の企業で奨学金制度を立ち上げる動きが広がっている。2016年にサンエーが、オリオンビールは今年から給付型奨学金の支給を開始。卸売業のジーマは創業者が苦学した経験から「平等に学べる環境づくりに貢献する」と1993年から支援を続ける。各社とも人材育成が、県経済の持続的な発展につながるとして息の長い支援を目指す。(政経部・照屋剛志)

 ジーマは創業者の故・儀間常亀氏が93年に儀間教育振興会を設立。儀間氏の寄付金3千万円とジーマグループの株式配当金を元手に、大学生には月額3万円、専門学校生と高校生、交通遺児に月額2万円の奨学金を支給している。

 返済の必要はなく、昨年度までに1159人に3億3038万円を支給した。担当者は「できるだけ多くの学生を支えるため、続けていくことが使命だと思っている」と話した。

 サンエーの折田財団は、創業者の故・折田喜作氏の「人を育てるのは大、もうけるのは小」との考えを引き継ぎ設立。同財団事務局長の鍵谷裕二氏は「県全体での人材育成が沖縄の発展につながるとの思いで始めた。県民への恩返しとして、支援を継続していきたい」と話した。

 金秀グループは金秀青少年育成財団を立ち上げ、95年から高校生を対象に奨学金を支給。386人に6327万円を贈った。2004年に始めた大学生への支給は1605万円に上る。

 沖縄コカ・コーラボトリングは1966年から奨学支援事業を開始。オリオンビールは昨年、奨学財団を設立した。琉球セメントは名護工場のある名護市安和区の学生を対象に奨学金を支給している。

 沖縄セルラー電話は、親元を離れて暮らす離島出身の高校生にスマートフォンを無償提供し、通話料と通信料を免除する「離島ケータイ奨学金」を2014年から続けている。

 県中小企業診断士協会の西里喜明会長は「やる気のある人を支えるという考えは人材育成の基本。人を大切にする企業が増えれば、経済全体の長期的な発展につながる」と取り組みを評価した。