沖縄県豊見城市真玉橋に住む知念善信さんは27歳から、「献血定年」の70歳を迎える前日までの43年間に263回、献血をした。初めての献血は長男が生後まもなく手術で輸血し、当時あった返血(輸血した分を献血で返す)制度のためだった。後年は、自身の健康管理のために月2回の献血を続けた。近年、若い世代の献血者が減り、県内で働き盛り世代の生活習慣病が深刻化している現状を憂い、「社会貢献と健康管理が同時にできる一石二鳥の方法」と勧める。(南部報道部・高崎園子)

県赤十字血液センター「くもじ献血ルーム」で献血する知念善信さん=那覇市

県赤十字血液センターから贈られた感謝状を手にする知念さん=豊見城市真玉橋公民館

県赤十字血液センター「くもじ献血ルーム」で献血する知念善信さん=那覇市 県赤十字血液センターから贈られた感謝状を手にする知念さん=豊見城市真玉橋公民館

 「献血を始めて、暴飲暴食、夜更かしをしなくなった。献血後、血液検査の結果が通知されるので体の状態を知ることができるし、数値を良くしようと努力する。意識が変わったのが大きい」

 知念さんは献血の効用をそう話し、「献血はぼくの健康の秘訣(ひけつ)」と笑顔を見せた。

 特に40歳からは健康管理の目的で月2回欠かさず、那覇市久茂地の県赤十字血液センター「くもじ献血ルーム」に通った。

 献血するようになって、たばこをやめ、深酒しなくなった。適度な運動を心掛け、体重を毎日計るようにも。

 コレステロール値は最高250ミリグラム/デシリットルから190ミリグラム/デシリットル台に下がった。糖尿病関連検査でも基準値内をキープ。加齢で血液検査の数値が悪くなる人が多いが、知念さんは50歳ごろからほとんど変わっていないという。

 最後の献血は70歳の誕生日前日の10月22日。献血ができるのは最高69歳までと決められているが、「人生100年時代、気持ちとしてはまだまだやりたい」。

 知念さんが続けてきた、血液から血小板や血漿(けっしょう)だけを取り出して、赤血球は再び体内に戻す「成分献血」の時間は45分ほど。「注射を怖がる人もいるが、慣れの問題で、慣れたら痛くない。針を刺して5分くらいで寝て、起きたら終わっていた、ということが多かった」と振り返る。

 知念さんは「血圧やコレステロールを下げる薬を飲んでいる人も献血できる。働き盛り世代にこそ、自分の健康管理に献血を活用してほしい」と呼び掛けた。