琉球銀行、沖縄銀行、沖縄海邦銀行の2018年4~9月期の決算が出そろった。3行とも減収減益だった。そろって増収減益だった1年前に比べて、業績がより悪化したことになる。

 日本銀行によるマイナス金利政策によって、本業である貸出金と預金との利ざやの縮小が続いていることが要因の一つだった。

 株式や債券など有価証券関係損益の悪化も影響した。市場の変動やこの先、好調に向かうことが見通せないため、思ったように利益を出せず、損失を確定する動きもあった。琉銀、海銀では信用コストが前年同期に比べて増加したことも、厳しい中間決算につながった。

 三菱UFJモルガン・スタンレー証券の集計によると、株式を上場する全国の地方銀行(80社)のうち、全体の約7割に当たる55行が減益となった。減益行数は前期に比べ拡大。全国地方銀行協会の柴戸隆成会長(福岡銀行頭取)は「地銀に厳しい収益環境が続いている」と指摘した。

 人口減少や地域経済の減衰で資金需要が低迷する県外に比べ、沖縄は人口増に景気拡大と様相を異にするが、日銀の低金利政策はボディーブローのように効いている。

 一方、収益の柱の貸出金利息収入は、琉銀が前年同期を下回ったがほぼ横ばいで、沖銀、海銀は増加した。マイナス金利政策から3年がたち「貸出金利回りの低下がマイルドになってきている」との見方もあり、明るい兆しも出てきたが、本業収益力の十分な回復はまだ見通せない。

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 中間決算からは、県内3行が今後の景気や市場環境の悪化を想定して、「守り」の対応をとっていることもうかがえた。

 琉銀は、企業の倒産などに備える貸倒引当金の算定方法を厳格化した。引当金を計算する際に加味する取引先の倒産実績率について、これまでは過去5年分をみて引当金を計算していたが、そのスパンを15年に拡大した。

 そうすることで、一般貸倒引当金が前年同期に比べ約6億円増え、利益を圧迫することになった。しかし、こうした対応は県外の銀行でもとられており、今後も採用する地銀は増える見込みだ。

 有価証券運用では、市場が反転する可能性が乏しい中、沖銀は含み損の拡大に備え債券を売却して、国債等債券関係損益で損失を計上した。

 収益環境が厳しい中、将来のリスクを見越した動きとして前向きに評価できそうだ。    ■    ■

 日銀の長引く金融緩和政策や銀行間の競争は、利益を減少させてきた。このような制約条件の継続が見込まれる中、利益をいかに確保していくかが地銀の戦略上の課題であることに変わりはない。

 取引先との対話に力点を置いたり、事業承継やM&Aなど法人向けコンサル業務を強化したり、手数料ビジネスに活路を見いだす動きもある。

 銀行により戦略は異なる。どのような方向性を志向するにしろ、足腰が強い稼げる組織への変革が問われている。万能な解はないが、力強いチャレンジを期待したい。