東京でスタイリストを目指す船山銀河さん(21)=埼玉県出身=ら4人が、自身の腕を磨きつつ社会にも貢献しようと、沖縄のシングルマザーやその子どもたちに無料でヘアカットやカラーをする期間限定のサロンを19日から那覇市牧志の専門学校「琉美学園」内で開く。スタイリストの卵たちは「沖縄の人たちの美容のお手伝いをしながら自分たちも成長できれば」と意気込んでいる。

期間限定のサロンで技術を磨く那須涼斗さん(前列)と、(後列左から)福田和輝さん、船山銀河さん、指導を担当する荒堀正樹さん、室井櫻子さん=17日、那覇市牧志の琉美インターナショナルビューティカレッジ

 4人が所属する日本アーティストユニオン・スタジオ(東京都)では、今年から美容師育成プログラムをスタート。通常、スタイリストとして活躍するまでにはアシスタントとして2~3年の経験をこなさなければならないが、同プログラムでは約半年間でスタイリストを養成する。4人は5カ月間、スクールで基礎を学び、残り1カ月間、沖縄で実際に客と向き合いながら訓練する。チェックを受けて合格すれば、スタイリストとして本格デビューする予定だ。

 指導を担当する荒堀正樹さん(34)は「アシスタントの間は給料も低く、練習がつらく挫折してしまう人も多い」と現状を話す。半年間みっちり練習する機会を提供し、すぐに活躍できるスタイリストを養成することで、業界の人手不足を解消するのが狙いだ。

 日本アーティストユニオンは、報道をきっかけに沖縄の貧困問題に着目。10月に沖縄の社会福祉協議会や就職を仲介する機関などを訪れ、沖縄のシングルマザーや生活に苦しい世帯に無料で施術を受けられるチケットを配布した。

 船山さんは「沖縄はリゾート地の側面しか知らなかったので、貧困の現状を知って驚いた。東京のお客さんにも沖縄の現状を知ってもらいたい」と意欲を見せる。

 カットが得意だという那須涼斗さん(20)=茨城県出身=は「お客さまにも喜んでもらって自分たちも全力で楽しみたい」と笑顔。室井櫻子さん(20)=神奈川県出身=は「研修を通して、施術中のトークスキルを磨きたい」と語った。福田和輝さん(21)=大阪府出身=は「美容室に来るだけでも気分転換になると思う。そのお手伝いができれば」と呼び掛けた。

 サロンは12月14日まで開店。11月28日と12月5日には那覇市母子生活支援センターさくらにも出張する。予約制で、対応するのはチケットの所有者のみ。