大腸がんはわが国で最も死亡者数の多いがんの一つで、食事の欧米化により増加しています。沖縄でも多くの方が罹患(りかん)し、当院でも毎年何人かの方に大腸がんが見つかります。

家族や患者さんに病気について説明をしている白衣を着た男性医師(いらすとや)

 大腸がんは初期には自覚症状がほとんどありませんので、血便、腹痛などの自覚症状がはっきり出てから病院に行っても、進んだ状態で見つかることが多いのです。他の多くのがんにも言えますが、早く見つかるほど完治する確率が上がります。

 大腸がんを診断するには血液検査やエックス線検査では難しく、大腸内視鏡が一番よい方法です。それでは、どういう方が大腸内視鏡を受けた方がよいのでしょうか。

 大腸がん検診では主に便の検査(便潜血検査)をします。大腸がんの表面は出血しやすくなっています。この血液が便に混じり出てくると血便に気づきますが、ごく微量な血液の場合は便を見てもわかりません。便潜血検査は、このような便中の微量な血液でも検出できます。この検査がきっかけで、自覚症状がない時期にがんやポリープが見つかることがあります。便潜血検査で陽性になった方にはぜひ大腸内視鏡を受けていただきたいと思います。

 通常、腺腫という良性のポリープが大きくなってがんに変化しますので、見つかったポリープのうち大きなものを内視鏡で切除すると、大腸がんの予防にもなります。

 以前の検査で、大腸のポリープやがんを指摘された方も要注意です。一度ポリープやがんが見つかった方は、また新しくできることがあり、定期的に内視鏡でチェックした方がよいです。

 大腸がんの一部は遺伝が関与することもあります。血縁者に大腸がんが多発した方や若くして大腸がんになった方がいた場合、遺伝性の大腸がんの可能性がありますので早めに大腸内視鏡を検討された方が良いでしょう。大腸がんで亡くなる方を減らすには、皆さんに便潜血検査や大腸内視鏡をきちんと受けていただくことが大切です。(玻座真博明 那覇市・はざま胃腸内科クリニック)