沖縄県産卵の卸売価格が前年同時期より22%も下落している。県外産卵の流通増加が一つの要因。県内の大手量販店では、セールの目玉に位置づけ、価格を抑えるため県外卵を取り扱うケースが多い。県養鶏協会は「経営は危機的状況」として量販店などに対して県産卵の取り扱いを求める「異例の要請」を決めた。有識者は「卵は鮮度も重要。多少高くても、地域の物を消費するという意識が必要だ」と話し、地産地消の重要性を訴えた。(政経部・川野百合子)

県産卵の卸売価格の相場推移

飼料1トン当たりの平均価格の推移

県産卵の卸売価格の相場推移 飼料1トン当たりの平均価格の推移

識者「地産地消を」

 県内の鶏卵相場で、10月31日に1キロ当たり235円だったMサイズは、11月19日には195円にまで下落した。昨年同時期は250円を維持。全国的にも安値で推移しており、先行きは見通せない。

 県産卵は、県外産卵に価格競争では勝てない構造になっている。飼料原料や輸送費などの生産コストが年々増加するなか、県外では施設の大型化が進む。過去4年、全国的にはヒナの出荷数も前年を上回る。スケールメリットを生かして効率よく生産する。

 県畜産課によると、1トン当たりの飼料価格は年々上昇している。為替や輸送費、外国の異常気象などに影響を受けるため、打つ手がない。輸入される飼料原料は、本州を経由して県内に届くため、よりコストが高くなるという仕組みになっている。養鶏は企業が経営していることが多く、個人農家主体の肉用牛や豚肉生産などに比べて、支援政策が少ないという点も経営を不安定にさせる。

 琉球大学農学部の内藤重之教授(農業経済学)は「一般的に、本土の一部の大規模生産者だけが価格競争に勝ち残れる構造は問題だ」と指摘。「コストが高まる中、このままでは廃業せざるを得ない経営者が増えるだろう」と語る。

 一方で、県内の量販店では、県外産の安い卵を大量に仕入れている。他社との差別化や消費者を呼び寄せる戦略の一つとして機能している。

 内藤教授は「量販店も利益を求める立場で、解決はなかなか難しい。ただ、『安ければいい』という考えを変え、地域のものを地域で消費するという県民の意識が大事ではないか」と話した。