私用で新校舎建設中の首里高校に出向いた。首里城のお膝元の同校では、工事前の歴史的遺物の発掘作業が進められていた。何が出てくるのか分からないが、見ていてわくわくしてしまった

▼県内では先日、南城市のサキタリ洞と北谷町で見つかった赤い顔料が約5500年前のもので、九州の縄文文化から影響を受けた可能性が高いという発表があった

▼ここ数年、県内では2万3千年前の釣り針の出土や、勝連城跡でローマ帝国のコインが見つかるなど、新発見が相次ぐ。文書はなくても、私たちの足元には、いにしえの人々の生きた証しが眠っている。発掘にロマンを感じるのはそのせいだ

▼こちらはロマンどころか、歴史が塗り変わるかもしれない。学問的根拠の乏しいまま仁徳天皇の墓とされてきた最大級の前方後円墳・大山(だいせん)古墳発掘の様子が22日、報道陣などに公開された。内堀を囲む堤から、他に例のない精巧な石敷が見つかり、研究者を驚かせた。陵墓本体に調査が及べば、どれだけの発見があることか

▼「静謐(せいひつ)」と「安寧」を守ることを理由に、宮内庁が外部に許してこなかった古墳の考古学調査。新事実が次々と明らかになるに違いない。もしかしたら琉球列島に関わる出土品も…。想像はふくらむ

▼来年は皇室の代替わりの年。新たな始まりの年に、天皇陵の謎がひもとかれる。(玉城淳)