大弦小弦

[大弦小弦]暴力団組長の子に生まれ、学生運動と抗争に明け暮れ…

2018年11月26日 07:38

 暴力団組長の子に生まれ、学生運動と抗争に明け暮れ、グリコ・森永事件の最重要参考人になる。修羅場を踏んできた作家の宮崎学さんは、人間にはいざという時に闘う人と逃げる人の2種類しかいない、と喝破している

▼元女子プロレスラーの長与千種さんは間違いなく前者だろう。未明の繁華街で女性の悲鳴を聞いて現場に駆け付け、馬乗りになって暴力を振るう夫を止めに入った

▼髪をわしづかみにされて引き抜かれ、手の指はひねられて負傷した。それでも「仕事柄、絶対に手を出せない。防御だけ」。鍛えた技を素人にぶつけることをせず、警察官が来るまで文字通り体を張って女性を守った

▼1980年代、正義のペア「クラッシュギャルズ」の1人として人気を集めた。リング上そのままの勇姿を見せてくれた

▼日ごろは、間違った力の使い方ばかり見せられているように思う。部下に指示してひそかに蓄財する経営者。数にものをいわせて自民党総裁の任期を延長し、椅子にしがみつく首相。権力は確かに腐敗する。だが、真の力、真の強さは鍛錬を続けて輝きを増すのかもしれない

▼「当たり前のことを当たり前にしただけ」「(暴力を振るっていた男性とも)仲良くなれるかも。お互いに勉強したねっていう気持ち」。長与さんはそう言って、ただ穏やかに笑っている。(阿部岳)

ルポ 沖縄 国家の暴力 現場記者が見た「高江165日」の真実
阿部 岳
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