米軍基地をめぐって本土側にありがちな誤解は主に二つある。一つは、原野に普天間飛行場を造った後に民家が密集してきた、という基地の成り立ちを無視した誤認
▼もう一つは、沖縄が基地収入に依存しているという認識不足だ。前者は関西の人気テレビ番組でタレントが堂々と発言するほどの広がりを見て取れるし、後者は県民総所得の5%程度の収入にすぎないのに、認識を更新してもらう難しさを感じる
▼一方で、県民は経済面でも基地の本質を見極め始めている。先の世論調査で、今後の沖縄経済の発展に基地はプラスかマイナスか尋ねたところ、マイナスが最も多く46%を占めた。プラスとの差は17ポイントに及ぶ
▼2002、05、12年に「基地は沖縄経済にどの程度役立っているか」と尋ねたときには、6割超がおおむね評価した。このうち「大いに役立つ」と高く評価したのは、前の2回(各19%)より12年は8ポイント低下していた
▼つまり、友人ら身近に基地従業員がいたり、基地交付金などもあることから、これまでは一定認めてきたが、今後はノーという意思表示だろう
▼皮肉なことに、沖縄を「日本経済のフロントランナーに」と持ち上げている安倍政権が、新基地建設をごり押ししている。沖縄だけ極端に低い内閣支持率28%が、矛盾政策への評価だ。(与那嶺一枝)