社説

社説[県民投票2月24日]意思表示の機会大切に

2018年11月28日 10:42

 名護市辺野古の新基地建設に必要な埋め立ての賛否を問う県民投票が来年2月14日告示、24日投開票の日程で実施されることが決まった。

 玉城デニー知事が正式に発表した。

 県民投票条例は地方自治法74条に基づき、正当な手続きを経て制定されたものだ。

 県民投票条例の制定を直接請求した「『辺野古』県民投票の会」(元山仁士郎代表)が集めた有効署名は9万2848筆。請求には有権者の50分の1に当たる約2万3千人分の署名が必要だが、署名はその4倍にも達している。

 元山代表らが県へ条例制定を請求、県議会で賛成多数で可決された。

 県民投票の会が進めたいきさつからも分かるように「地方参政権」の行使である。

 にもかかわらず、現時点でうるま、宜野湾、糸満、石垣の4市が態度を保留している。自治体の議会が住民の地方参政権を否定しており、とても許されない。

 石垣市議会は県民投票条例に反対する意見書を賛成多数で可決している。米軍普天間飛行場を抱える宜野湾市議会でも同様の動きがある。

 現在の地方自治制度は、議会を通じた間接民主制が基本だが、それを補完するのが直接民主制の住民投票である。

 法的拘束力はない。だが県民投票条例は賛否いずれかが過半数で、有権者総数の4分の1以上に達したときは知事はこれを尊重しなければならないと規定している。首相と米大統領にも結果を通知することも定めている。

 保留は政治的な思惑からであろうが、住民の参政権を奪ってしまうのは、議会の役割を放棄するに等しい。

    ■    ■

 米軍基地の影響を受ける沖縄の住民が新基地建設に賛否の意思を明らかにするのは民主社会において当然である。

 態度を保留している自治体は、県民投票を積極的に進めるべきだ。

 普天間返還のために新基地建設はやむを得ないと判断するならその主張を説得力をもって訴えるべきである。

 新基地建設は沖縄の負担軽減にならないとする反対派との間で議論の場を設ければ、互いに普天間返還と新基地建設に対する理解がより深まるに違いない。

 名護市長選でも知事選でも政権が推した候補は辺野古については語らず、議論は全くなされなかった。県民投票は議論の機会となる。

 県には丁寧に説明を繰り返してもらいたい。

    ■    ■

 県民投票を意義あるものにするには投票率をいかに上げるかが課題だ。県は12人で構成する「県民投票推進課」を設置。市町村との連絡調整や広報活動に当たる。

 県民レベルでの理解や基地のない地域、離島での関心はこれからというのが実情だ。投票率を上げるには、討論会や若者を対象にしたイベントを開催するなど機運を盛り上げる工夫を凝らしてほしい。

 沖縄の「自己決定権」を巡り、歴史的に大きな意義を持つ県民投票となろう。新基地建設に関する県民意思を明瞭に示すためにも全市町村が参加することが必要だ。

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