28日午後8時2分ごろ、沖縄県豊見城市翁長の県営住宅で「女性が刺された」と消防から県警に通報があった。豊見城署などによると、住宅の10階にある一室で、この部屋に住む女性(44)が腹部から血を流して倒れているのを署員が発見。住宅敷地内の地面では女性の夫(44)=住所職業不詳=が倒れているのが見つかった。2人は心肺停止の状態で搬送されたが、約1時間後に死亡が確認された。

現場付近で捜査に当たる捜査員=28日午後11時20分ごろ、豊見城市翁長

 署によると、現場の部屋には女性と子ども2人が居住しているが、子どもは不在だった。夫とは別居中との情報もあり、署は裏付けを進め、殺人事件の可能性もあるとみて調べている。

 女性はうつぶせで部屋の玄関口に倒れており、遺体の腹部には刺し傷があった。現場では刃物も見つかっている。一方、部屋の真下の地面で発見された夫の遺体には、全身を強く打ったような痕があり、飛び降りた可能性もあるとみて捜査している。

静かな住宅街 住民「信じられない」

 学校やショッピングセンターなどに近い豊見城市の住宅街で起きた殺人。28日午後11時ごろ、現場の高層住宅には玄関前に規制線が張られ、報道陣が駆け付けるなど物々しい雰囲気だった。高層住宅の外からは、10階の一室の前に捜査員らしき数人の人影が時折見え隠れしていた。

 現場付近では、近くの住民が不安そうにパトカーの横を通り過ぎたり、帰宅してきた高層住宅の住民が警察官に何事かを訪ねたりしていた。

 8階に住む20代の女性によると、近隣は家族暮らしが多いといい、普段は子どもの声が響く静かな住宅街。「パトカーが集まっているのを見て驚いた。こんな状況は初めてで、現実に起きたことだとまだ信じられない」とあぜんとした表情だった。

 近くで働く自営業の男性(57)は「職場の近くを、普段よりも多い台数のパトカーが通りかかったので、気になって見に来た。自分の身近な場所でこんなことが起きるとは考えられない」と驚いていた。