モーリシャスで開催中の国連教育科学文化機関(ユネスコ)政府間委員会は29日、宮古島のパーントゥなど8県10件の伝統行事で構成する「来訪神 仮面・仮装の神々」を無形文化遺産に登録すると決定した。鬼の姿などをした異形の「神」が家々を毎年回るという、なじみ深い行事が世界的な評価を得た。政府間委員会最終日の12月1日、遺産リストに記載される。沖縄関係では2010年の「組踊」以来2件目。

島尻のパーントゥで、泥を塗られる子ども。1年間の無病息災が約束されるとされ、保護者が我が子を連れて泥塗りをお願いする=2014年10月3日、宮古島市平良島尻

野原(のばる)の「サティパロウ」で顔にパーントゥの仮面をつけて集落の厄払いをする男の子(中央)=2013年2月4日、宮古島市上野野原

島尻のパーントゥで、泥を塗られる子ども。1年間の無病息災が約束されるとされ、保護者が我が子を連れて泥塗りをお願いする=2014年10月3日、宮古島市平良島尻 野原(のばる)の「サティパロウ」で顔にパーントゥの仮面をつけて集落の厄払いをする男の子(中央)=2013年2月4日、宮古島市上野野原

ナマハゲ、トシドンなど10件

 来訪神は仮面をかぶったり仮装をした人が、神として家々を訪れ、怠け者を戒めたり幸福をもたらしたりするとされる行事。宮古島のパーントゥは旧暦の9月上旬に行う島尻自治会と、旧暦の12月最後の丑(うし)の日に行う野原(のばる)部落会が保護団体。人や建物に泥を塗ったり、男の子が集落を練り歩いたりと、厄払いの方法も外観もそれぞれに特徴がある。地域とその人々の災厄をはらい、幸いをもたらすとされる。

 宮古島のパーントゥのほか、秋田県の男鹿のナマハゲや鹿児島県の甑島のトシドンを含む来訪神の10件はいずれも厄災を払って幸福をもたらすとされるが、過疎化や少子高齢化に伴い、神に扮(ふん)する担い手の確保が課題となっている。各地で保護の取り組みが進められており、遺産登録が今後の活動の弾みになることが期待される。

 10件はそれぞれ国の重要無形民俗文化財に指定され、関係自治体と住民らが保存・振興のための協議会を組織している。

玉城知事「大きな喜び」

 玉城デニー知事のコメント 宮古島市平良島尻と上野野原で継承されてきた「宮古島のパーントゥ」が、ユネスコ無形文化遺産の代表一覧表に「来訪神 仮面・仮装の神々」の構成要素の一つとして記載されることは、県民にとって大きな喜びであります。また、地域の行事を時代を超えて大切に受け継いでこられた地域の皆さまにとって、大きな誇りとなるものだと思います。沖縄の島々には、現在まで受け継がれているさまざまな伝統文化があります。伝統文化を次代へ継承し、地域や人々の結びつきを深め、地域が発展していく上で、今回の記載は大変意義深いものと確信します。心よりお喜び申し上げます。