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  • パーントゥの無形遺産登録で、活性化期待の一方、観光客増に不安も
  • 子どもの減少が深刻で、仕切り役の女性は「5年先でも継続できるか」
  • 宮古島市長は「内容を周知し歴史学習など祭祀の継承を支援したい」

 「宮古島のパーントゥ」がユネスコの無形文化遺産に登録されたのを受け、祭祀(さいし)を執り行う宮古島市平良島尻と同市上野野原(のばる)の関係者は地域活性化を期待しつつ、観光客の増加による混乱や担い手不足への不安も口にした。

島尻のパーントゥで、泥を塗られる子ども。1年間の無病息災が約束されるとされ、保護者が我が子を連れて泥塗りをお願いする=2014年10月3日、宮古島市平良島尻

「来訪神 仮面・仮装の神々」の一つとして「宮古島のパーントゥ」がユネスコ無形文化遺産への登録が決まり、バンザイで喜ぶ島尻自治会の住民と宮古島市教育委員会の職員=29日、宮古島市役所城辺庁舎

「宮古島のパーントゥ」を執り行う地域

島尻のパーントゥで、泥を塗られる子ども。1年間の無病息災が約束されるとされ、保護者が我が子を連れて泥塗りをお願いする=2014年10月3日、宮古島市平良島尻 「来訪神 仮面・仮装の神々」の一つとして「宮古島のパーントゥ」がユネスコ無形文化遺産への登録が決まり、バンザイで喜ぶ島尻自治会の住民と宮古島市教育委員会の職員=29日、宮古島市役所城辺庁舎 「宮古島のパーントゥ」を執り行う地域

 「おー出た」。29日午後4時42分、市役所城辺庁舎で政府間委員会の審議をインターネット中継で見ていた島尻自治会の宮良保会長(60)らは登録決定を拍手で喜んだ。宮良会長は「2016年に申請し待ちかねていた。ようやくかなった。喜びもひとしおだ」と胸をなで下ろす。パーントゥが世界的に認められ「観光客がさらに訪れ、経済的にも効果が出るだろう」と期待した。

 島尻婦人会の新里まつ江会長(61)は「登録は地域にとって大きな転換点」と受け止める。「地域だけの行事だったが、最近は観光客も増えてきた。住民は神事として行っているのでマナーを守って見に来てほしい」と話した。

 パーントゥの仮面を持った男児が集落の女性と練り歩く野原部落会の渡久山隆会長(55)は「パーントゥといえば島尻のイメージが大きいが、野原にもあることを知ってもらえる。集落内も盛り上がる」と地域活性化に期待を寄せた。

 来年のパーントゥ行事を取り仕切る久貝たまえさん(56)は担い手不足が深刻化しているとして「登録も素直に喜んではいられない。地域に子どもがいなくなっているので、5年先も継続できるのか不安が大きい」と先行きを懸念した。

継承へ全力支援

 下地敏彦宮古島市長の話 市で執り行われている祭祀(さいし)が世界でも類を見ない文化遺産であると認められたことの喜びをかみしめている。各自治会も行事の運営にあたり次世代への継承や行事見物客への対応等の問題を抱えている。市としても各自治会と連携を図り、祭祀内容の周知徹底を行いたい。また、地元が誇れる文化遺産であることの歴史学習も含めて、祭祀の継承を全力で支援したいと考えている。