沖縄県出身のラッパー・シンガーのAwich(エイウィッチ)が好調だ。10月に「Beat」と「Heart」の各4曲入りシングル(EP)を同時に発表。東京などを巡ったツアーは好評を得た。日本語と英語、うちなーぐちを駆使しながら、熱い思いを歌とリズムに込める。

「島への愛を根底に、自分らしくやっていきたい」と抱負を語るラッパー・シンガーのAwich=那覇市・沖縄タイムス社

 突き刺さるように響く声が印象的なAwichは1986年那覇市生まれ。10歳で詩を書き始め、14歳でラップに目覚めた。県内アーティストとのコラボレーションを経て、高校卒業後に渡米。2007年に最初のフルアルバム「Asia Wish Child」を発表した。

 自らを「アーティスト」と言う。16年に沖縄で開かれた世界若者ウチナーンチュ大会ではアートディレクターを務め、多才ぶりを発揮した。ヒップホップ・プロデューサーのChaki Zuluと出会い、2年ほど前から音楽活動に重点を置いている。

 「英語で歌うときは世界のオーディエンスに発信する。日本語のときは、日本のみんなといっしょに歌いたい」と話す。さまざまな文化の影響を受けながら「自分の中には何かを混ぜ合わせる文化、レゲエに近い潜在的な島っぽさがある」と感じている。

 「沖縄(出身)でよかったと思っている。今は好きなことをやっている」と充実の表情だ。新作2作ではダンサブルで刺激的な側面のほか、優しい音で自分をさらけ出す二面性を強調した。

 依然として男性が多いラッパー・シンガーの世界で「自分らしさ」にこだわっている。「島への愛を根底に、自分らしくやっていきたい」。来年の目標として「新アルバムのリリース」「海外公演」を掲げている。 ツアーファイナルを兼ねた沖縄初のワンマンライブが12月1日午後7時半、那覇市の桜坂セントラルである。入場料は前売り3500円。問い合わせは桜坂セントラル、電話098(861)8505。(学芸部・天久仁)