ホロコースト映画にしては珍しく、ユダヤ人に感情移入させない物語だった。どちらかというと、愚行を繰り返す鬼畜ナチス将校たちが、気になって仕方ないのだ。

ヒトラーと戦った22日間

 作品の舞台は、ゾビボル強制収容所。アウシュビッツに並ぶ絶滅収容所と言われるこの場所では、前代未聞、収容者全員による脱出劇が繰り広げられていた。

 しかし、脱出計画のスリルは二の次。物語のメインはナチス将校によるユダヤ人へのひどい仕打ちの数々。おぞましい映像を延々と見せ続ける制作者の意図は何なんだ!?

 「誰だって鬼畜になり得る」と言いたいのではないか? 当時のナチス内はきっと「鬼畜 or die(死)」そんな世界だ。生きる道を選ぶしかなかった男たちの、壊れゆく心の悲鳴が聞こえる気がするのは、私がダメンズウォーカーだからでしょうか?(桜坂劇場・下地久美子)

桜坂劇場で12月1日から上映予定