日本の「とき」標準時刻が生まれるまち-。こう書かれた駅構内のデジタル時計がまず目に飛び込む。東経135度の子午線が通る兵庫県明石市と思いきや、ここは東京都小金井市

▼実は、日本の標準時を決定・管理している情報通信研究機構(NICT)がある。駅の時計は「うるう秒」を表示できるわずか4台のうちの一つだとか

▼そんな小金井市の議会で6日、画期的な意見書が可決された。米軍普天間飛行場の代替施設が国内に必要か否か議論し、要るのなら、全国の自治体を候補地として公正で民主的な手続きで決めよう、というもの

▼結論まで二転三転した。共産党会派が一時、賛成から反対へ態度を翻し、可決に赤信号がともる。基地と無縁の地域で思いがけず判断を迫られ、記者の取材を受ける議員は戸惑っているように見えた

▼これが本土世論の等身大の姿だろうと思う。傍観者から当事者になって初めて感じる切実さ。リベラル色が強い土地柄で、採択する意見書の数は都内の議会でも指折りという小金井ですら、議論しようという決を採るのに四苦八苦した。いわゆる保守地盤と言われる地域は、さらに壁は厚い

▼難産の末、小金井から生まれた意思表示が日本全国の「標準」となるのはいつか。秒針がゆっくりと、そして着実に時を刻むように、歩を進めたい。(西江昭吾)