一斗缶(18リットル缶)を製造する那覇王冠(糸満市、玉城幹雄社長)が、鋼板を薄くした新商品の開発に取り組んでいる。一斗缶を再利用したリサイクル缶や、プラスチックタイプの容器との販売競争にさらされる中、2年がかりで製造コストを下げる計画。強度の維持が課題だが、玉城社長(58)は「プラ缶より安く、リサイクル缶よりも安心して使える商品を作りたい」と意気込んでいる。(写真部・国吉聡志)

現在使っているモズク用の一斗缶(上)と鋼板を薄くした試作品との違いを説明する玉城幹雄社長=糸満市内

 一斗缶はしょうゆや食油、塗料を運搬する金属製の缶。機密性が高く、品質保持に優れており、業務用の容器として使われてきた。一方で、形状を変えられず、空容器を保管する場合でもスペースが必要というデメリットもある。

 玉城社長によると、県内ではモズク業者を中心に専用の一斗缶が使用されてきたが、近年は輸送費用のかかる離島などで、空容器を重ねて運べるプラスチック容器の需要が高まっている。また、リサイクル缶を県外から購入する業者も多く、新しい缶の需要は伸び悩んでいるという。

 だが、仮に一斗缶の製造を中止した場合、プラスチック容器やリサイクル缶に押され、業者は県外から一斗缶やプラ缶を購入せざるを得ない状況になる。玉城社長は「輸送コストに左右され、今より高い容器の購入を余儀なくされる恐れがある」と指摘。コストを抑え、鋼板を薄くした一斗缶の生産が県内でできないかと考えるようになった。

 一斗缶は重ねて保管する場合が多く、鋼板を薄くする分強度が低下するが、側面に模様を入れてしのげないか試行錯誤を繰り返している。現在、県工業技術センターに耐圧試験を依頼中で、来年までに強度部分の課題を克服したい考えだ。また、取引先の琉球銀行と連携し、新商品の活用方法を模索している。

 玉城社長は「食品の保存以外にも使え、コスト安な県産缶の開発を成し遂げたい」と語った。