嘉手納基地所属の空軍兵の男が拳銃を所持したまま基地内から一時脱走し、米軍が読谷村宇座の集落で逮捕した。

 男が時間になっても出勤してこなかったため捜索を開始。3時間以内に発見した。車内のかばんの中に拳銃を所持。拳銃には実弾が15発入っていたが、発砲した形跡はないという。拳銃と実弾を持ち出し、ゲートをすり抜けて基地外に出ていることから脱走との見方をしているようだ。

 米軍によると、職務中に武器の点検を受け、武器は米軍の管理下に戻されなければならないにもかかわらず、それを逃れていた可能性が高い。

 米軍の武器管理のずさんさを露呈したというほかなく、米軍は銃や実弾の出し入れなど武器管理をどのようにしていたのか、説明を求めたい。

 沖縄の米軍基地は民間地と隣接していることが特徴である。男が身柄を拘束された残波岬周辺は観光施設やホテルが立ち並び、住宅地も続く。

 嘉手納基地は脱走の動機や拳銃を持ち出した理由を明らかにしていない。男の脱走が続いていれば、地域を不安に陥れ、不測の事態が起きることも懸念されたはずである。

 日米地位協定では軍人・軍属が「公務中」に起こした犯罪であれば第1次裁判権は米側に、公務外であっても米側が先に身柄を確保すれば原則として起訴までは日本側に引き渡されない。

 身柄引き渡しで日米合同委員会は「殺人、強姦(ごうかん)などの凶悪事件」に限らず、「日本政府が重大な関心を持ついかなる犯罪も排除されない」と取り決めている。県警は公務外とみて銃刀法違反容疑で捜査協力を求める方針だが、身柄引き渡しを要求し、厳格に取り調べるべきである。

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 もう一つの問題は米軍の通報体制の機能不全である。日米合意は「公共の安全や環境に影響の生じる事案について速やかに地元に通報する」と定める。米軍は本紙が問い合わせるまで沖縄防衛局に連絡せず、周辺自治体にも情報が届いていなかったのである。

 防衛局が関係自治体に連絡したのは逮捕後だ。

 男の所属は第353特殊作戦部隊である。同部隊はパラシュート降下訓練などを津堅島訓練場水域や嘉手納基地で実施している。

 CV22オスプレイにも対応する。特殊作戦という任務の性格上、過酷な環境での訓練が想定される。こういった激しい軍務と関係がないのかも調査すべきである。

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 北谷町の米軍キャンプ桑江内の民間地近くで2014年、海兵隊の男がライフル銃を持って自宅に立てこもり、自殺しようとした事件を覚えている人も多いだろう。

 男は別の基地で銃弾を盗みさらに別の基地でうそをつきライフルを入手した。男は精神的不調を訴えたが、アフガニスタンに派遣されていた。

 基地内の日本人従業員らが避難する事態になったが、北谷町に連絡が来たのは拘束後。町議会が抗議決議した。

 改善の跡がまるでみられないのである。米軍は武器管理と通報の在り方を徹底検証し、再発防止策を公表しなければならない。