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[大弦小弦]今帰仁村の商店に、天井からぶら下がる旧式のはかりがある…

2018年12月10日 07:38

 今帰仁村の商店に、天井からぶら下がる旧式のはかりがある。聞けば30年近く前、店の経営と一緒に引き継いだという。まだまだ現役。狂いがあってはいけないから、2年に1度の定期検査を受けている

▼ところが、重さの国際基準そのものが不確かだったらしい。1キロは世界に一つしかないキログラム原器の重さと決められてきた。金属製の重りで、パリ郊外で厳重に保管される

▼作られたのは1889年。100年後、世界各地の複製を持ち寄って比べると、原器の方が軽いことが判明してしまった。誤差は約1億分の5キロ。指紋一つ分だが、先端技術の世界では大きい

▼ほかに基準がないから、原器が軽くなったのか、複製が重くなったのかさえ分からない。基準に従って測定する技術が進歩し、生みの親である基準を揺るがす事態になった

▼案外アナログに決まっていたことに素人は親しみを覚えるが、科学者はもちろん放置できない。原子の重さから1キロを計算する方法を生み出した。来年5月に定義を変え、原器が壊れても厳密に1キロが導き出せるようになる。地域や解釈で重さが違っては商売も混乱するから、朗報なのは確かだ

▼少し味気ないが、心配はいらない。冒頭の商店はシーブン(おまけ)が得意技。重さの基準は変わっても、昔ながらの心意気はきっと変わらない。(阿部岳)

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