2万5045人が完走し、今年も盛り上がりを見せた「第34回NAHAマラソン」。沖縄県北大東村職員の大城勇太さん(34)は、2日のレース当日が子どもの学校行事と重なり、念願の初出場はお預け。代わりに北大東島でNAHAマラソンと同じ2日に単独のマラソン大会を開催し、村のグラウンド計105周を5時間23分19秒で走破した。大城さんは「来年こそは本物に出たい」と笑った。(社会部・山城響)
実は2016年も…
3回目の申し込みで初めて出場することが決まった2016年大会も娘の学習発表会と同じ日だったために断念。そのときも北大東島で単独マラソンを敢行し、今回が2回目の大会となった。初回は島内を周回するコースだったが、今大会は趣を変えようと夜間帯に開催した。
ところが、月の明かりが意外に暗く、急きょ照明のある村離島振興総合センターグラウンドのコースに変更。家族が家で留守番する中、孤独な42・195キロの闘いが始まった。距離やタイムはGPS機能と連動したスマートフォンのアプリなどを駆使して計測した。
那覇西高校サッカー部や成年国体サッカーのゴールキーパーとしても活躍した大城さん。体力には自信があったが、同じコースをひたすら回り続けるのに、さすがにくじけそうになったという。
子どもたちが手作り完走証
「これまでの人生や、これからの人生を考えながら走り続けていた」と振り返る。残り半分で家族が応援に駆け付け、差し入れの肉まんを食べて乗り切った。
単独マラソン大会は「二度とやりたくない」が率直な感想。それでも子どもたちが作ってくれた「1位」の完走証が疲れを吹き飛ばした。
「だれもやらないようなおもしろいことで話題をつくり、北大東島をPRして知名度をあげる」が大城さんのモットー。「でも来年こそはNAHAマラソン初出場をかなえたいなあ」