沖縄ハム総合食品(読谷村、長濱徳勝社長)は8日、県庁で記者会見し、同社の二つのレトルトパウチ食品が香港の大手スーパーマーケット「パークン・ショップ」で定番化されたと発表した。「ミニコンビーフハッシュ」とタコス風味の「ロングタコス」で、昨年11月から同スーパーの64店舗で販売されている。同社商品の海外での定番化は、日系のスーパーや百貨店では実績があるが、現地のスーパーでは初めてという。沖ハムは2商品の定番化を機に昨年1500万円だった海外での売り上げをことしは4千万円まで引き上げたいとしている。
定番化された2商品は、県内では約10年前から発売されているロングセラー。いずれも75グラム入りで、現地での販売価格は17・9香港ドル(1香港ドル13・5円換算で242円)。県物産公社、香港の卸問屋・海昌隆(ホイチョンルン)を通じて納品する。
パークン・ショップは、香港で200店舗を展開する現地の2大スーパーマーケットの一つで、2商品の定番化は海昌隆の提案で実現。
併せて定番化が検討されている別の1商品とともに、日系の百貨店やスーパーで開かれた沖縄フェアなどで特に売れ行きが良かったという。
沖ハムは「手頃な価格帯で香港の食文化にも合ったようだ」と説明。
県内では野菜などと炒めるチャンプルー料理に使われるのが一般的だが、現地での試食販売では、パンに塗ったりワインのおつまみとしてクラッカーに乗せたりするスタイルを提案していくとしている。
同社は7~8年前から海外展開を手掛け、現在は香港を中心にウインナーソーセージやレトルト商品、飲料など計29アイテムを輸出。
定番化決定後3カ月で、コンビーフハッシュは約2500個、ロングタコスは2300個を出荷し、実績は定番化前の約9カ月の10倍余りになった。
沖ハムの長濱社長は会見で「今後も物産公社と連携しながら、新商品の展開にも取り組みたい」と意欲を語った。