生まれながらにして外界からの刺激に敏感で繊細、感受性が強く心に傷を負いやすい子を指す心理学の概念「HSC(ハイリー・センシティブ・チャイルド)」が近年、注目されつつある。

「HSCについてまずは知ってほしい」と話す斎藤暁子さん=本部町

HSCの主な特徴

「HSCについてまずは知ってほしい」と話す斎藤暁子さん=本部町 HSCの主な特徴

 親や周囲からは「わがまま」「扱いにくい子」と思われがちで、本人の自己肯定感も育ちにくいため、不登校やひきこもりの一因にもなっているとされる。

 沖縄県本部町在住の斎藤暁子さんは県内では数少ないHSCの相談に応じる心理カウンセラー。県内でも相談事例はあるといい、理解を呼び掛ける。

騒がしい場所が苦手

 HSCは米国の心理学者エイレン・N・アーロン博士提唱の概念。光や音など刺激に敏感で、集団や騒がしい場所が苦手といった先天的気質を持つ子を指す。国内では2015年ごろから知られるようになった。

 斎藤さんの息子(9)もHSCで、子育てに悩んだ時期があった。「幼稚園の運動会前になると笑顔がなくなり、発熱したり、吐いたりした」。運動会後はぐったりして生気がなくなっていたことから、夫婦で話し合い、本人の意思などを尊重する選択肢を模索した。

 昨年、精神科医の夫と「ママ、怒らないで。不機嫌なしつけの連鎖がおよぼす病」(風鳴舎)を出版。その後、理解や支援の輪を広げようと「HSC子育てラボ」を開設し、インターネットを使ったオンラインカウンセリングや勉強会を開いている。

共感力に優れた面も

 HSCは学校に行きたがらない、集団になじめない、すぐ泣いてしまうなどの傾向がある。周囲からは母親に対し「育て方が悪い」「過保護」などの批判も少なくない。斎藤さんは「親は子どもに寄り添いたい気持ちと、HSCでない子を基準にしたしつけの間で悩む」と指摘する。

 ネガティブに捉えられがちなHSCだが、「共感力や直感力に優れ、細やかな気配りができるなど多くのポジティブな面がある」と斎藤さん。「まずはHSCの特徴を理解し、認めてほしい。その子がリラックスできる環境で育てればおのずと個性や長所が表に出てくる」と話した。

ママ、怒らないで。不機嫌なしつけの連鎖がおよぼす病
斎藤 裕・暁子
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