【崎原朝一通信員】南風原町の青年海外派遣研修事業で、南風原ジャスコに勤める玉城理沙さん(22)と沖縄国際大学生の徳元りささん(22)が昨年12月、アルゼンチンを訪れた。ウチナーグチで盛んに会話されている状況を知り、2人は「海外の方々の方がよりウチナーンチュらしい」と感激している。
2人は同5日にアルゼンチンに入り、7日の県人連合会主催の「沖縄祭り」も体験、1週間滞在した後、次の訪問先ブラジルへ向かった。
2人が派遣事業へ応募したのは、沖縄系移民が多く住む海外への興味と、南風原町出身の移住者に会いたいと思ったことがきっかけ。
実際、「沖縄祭り」では歓待を受けたようで、「いちゃりばちょーでー(一度出会えば兄弟だ)といった感じだった。ウチナーグチがそこここで話されており、沖縄の伝統がアルゼンチンで生きている」と徳元さん。
玉城さんも「海外の人たちの方がもっとウチナーンチュらしい。親はウチナーグチで話せるが私は話せない。沖縄に帰ったら祖母とウチナーグチで話してみたい」と刺激を受けたようだ。
南米の印象については、ヨーロッパ風の街のたたずまいや、ペルー、アルゼンチンともに「人が優しい」ということ。南米の沖縄系社会に接したことで「南米に沖縄があるという感じ。ふと沖縄の感じがして、気がついてみるとアルゼンチンだという変な錯覚に陥る」という。
2人は在アルゼンチン南風原町人会のリーダー大城昇さんのほか、徳門クリスティアンさん、知念ビビアナさん、呉屋マリエラさんらとも会った。同会は約20年、アルゼンチンから18人の研修生を沖縄へ派遣し、日本語や料理、沖縄の歴史などをアルゼンチンの子弟が学んできた。その結果、クリスティアンさんはすし職人になったほどだ。
今回、青年海外派遣研修生同士、2世以下の若い世代の交流が始まっていることについて大城さんは「期待したい。スケジュールを組み、応対するなど、若者たちが責任感を持つことになり、大きなプラスになる」と喜んでいる。